カンランシャ (光文社文庫 い 52-1)
カンランシャ (光文社文庫 い 52-1) / 感想・レビュー
ミカママ
芥川賞を取った短編集より、こちらのほうがずっと好き。伊藤さんはアレかな、こういう夫婦のドロドロを経験されたことがあるんだろうな、と。人が恋に落ちていく描写が上手ですね。私も一応「妻」の端くれなので、直樹の不倫相手にずっと嫌悪感を抱いてたけど、最後はなんだかかわいい女に落ち着いちゃって。ラスト、めでたしめでたしと言いたいとこだけど…。人間関係というのは必ず腐っていく、とどなたかがおっしゃっていたのを身を以て経験している私は、それぞれの行く末を悲観的に案じつつ読了しました。
2015/12/21
相田うえお
★★★☆☆19111 脱線話を。初めて行く遊園地の攻略法!先ず始めに観覧車に乗り、グルっと一周する間に高い所からアトラクションの配置や混み具合をよ〜く観察して効率のいい順路を検討するのだ!(いや、普通に観覧車を楽しんだ方が幸せだろう...)話はごろっと変わりますが、猫!左目が青、右目が赤みたいな左右色違い(オッドアイ)の猫っていますよね。其奴、見たものが立体化して飛び出して見える事はないのか?3D用の赤青メガネと似ているんだけど(多分、そんな事はない...)さて、本作品、こじれた話で どよよ〜ん。
2019/12/17
じいじ
いま、円満な夫婦、しかしその過程が、長ければ長いほど順風満帆ではなかっただろう。何度かの夫婦仲の危機を乗り越えてきたはずだ。本作は二組の夫婦の別れ(離婚)と再生を、芥川賞作家の伊藤たかみが描いた長編。夫婦の会話がリアルだ。直樹といずみの微妙な意見のズレ、隆一と信子(別居中)の未練心も失った冷めた会話が面白い。この著者、男女の機微を表現するのが実にうまいと思う。「(夫の)優しさだって、互いに好きだという感情がなければ、決して心地のいいものではない」etc.結末に疑問が残るが、なかなか味わいのある作品である。
2015/12/18
takaC
ありがちな話だろうが目が離せない展開でハラハラドキドキしながら読んだ。ある意味無難な終わり方だったと思うが、お腹の子が生まれる前に結婚できるのだろうか。
2016/11/13
巨峰
会社の先輩後輩だった直樹と隆一。直樹の浮気に苦しむ妻いずみの相談に隆一がのったことから、事態は三角関係になっていくのだが・・・ありふれた不倫の話なのだけど、なかなか読ませるのは作者の力量でしょうね。ただ直樹が不倫相手の愛のどこを、愛が直樹のどこをそんなに気にいったのかわからない。愛についての描写が少ないからかも。それでも愛が純粋だというのは全く同意しかねる。仮に純粋だとしてもそれは正しくない。とてもとても肯定できるものではない。強いのはいずみだと思う。男性二人はいずみの強さを推し量れていない気がするなぁ
2013/10/27
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