はやく名探偵になりたい (光文社文庫 ひ 12-9)
はやく名探偵になりたい (光文社文庫 ひ 12-9) / 感想・レビュー
セウテス
【烏賊川市シリーズ】短編集。「藤枝邸の完全なる密室」は、東川氏のユーモアミステリでなければ、成り立たないだろう。完全な密室が、別の密室が成り立つ事により犯人特定に繋がる、なんという発想の素晴らしさだ。「七つのビールケースの問題」も、ビールケース盗難から意外なオチへの導き方はたまらない。ビールケースを探して、一つ一つ当時間帯に起こっていた謎を、推理していく展開も大好きだ。ラストの「宝石泥棒と母の悲しみ」は、いつもの東川作品と趣の異なる切なさに驚いた。見事なミスリードで、しっかりミステリしてるのはいつも通り。
2021/11/02
るーしあ
烏賊川市シリーズは東川篤哉作品の中では最も安定感のある、外さないシリーズ。今作は短編集なので読み応えという面では他作品に劣るかもしれない。しかし各短編の内容はなかなかのレベルに達している。作者特有のバカミスがふんだんに炸裂する。そんな中「宝石泥棒と母の悲しみ」が一番の好み。ラストを綺麗に飾ってくれる。いい作品を読んだなぁ という余韻にふけることができる名作だ。でもやはりこのシリーズ、長編を読みたい。シリーズお馴染みの登場人物が鵜飼と流平の2人だけというのも寂しいもの。砂川や朱美の出番が欲しい。
2014/02/03
猿吉君
烏賊川市6作目、短編集なのでどんなトリックなのかを楽しむのがメインです。①鵜飼探偵が割と最初の方から犯人に絡んできます、非常にいやらしくて犯人が可哀想(笑) ②流平君はやられキャラなので出てくると酷い目に遭うな、と判ってしまいます。段々エッチ度が高くなっているような。③謎解きシリーズよりは1話が長いのが良いです。 点数:80/100→東川先生の短編は面白くてサクッと読めて通勤電車の最高のお供です、でも長編で登場人物のその後の展開とかも知りたいです。
2022/10/25
Rin
【図書館】今回は短編集。途中というか、後半から怪しいぞ…と思いながら当てることのできた「宝石泥棒と母の悲しみ」。切ないなかにも微笑ましさがあった。登場人物の逞しさ、頑丈さを痛感したのは「7つのビールケース」。「時速40キロの密室」は、ハラハラわくわくの面白さがつまっていた。どれもユーモアたっぷり。どの話も名探偵とはいえないんだけど、しっかり事件が解決。残念なのはいつもの刑事さんたちとのやり取りがみれなかったこと。でも人間離れしているタフさをもつ師弟の探偵に、楽しく息抜きができた読書タイムでした。
2017/06/06
harupon
アンソロジー本に載っていた「藤枝邸の完全なる密室」が愉快だったので、この本にたどり着きました。殺人が起こるけれど、なんとも可笑しい鵜飼探偵と戸村流平の名コンビ。「七つのビールケースの問題」もどこかで読んだような気がするのですが、覚えていません。「雀の森の異常な夜」こんな発想、思いもよらなかったです。電動車いす活用法恐るべし。東川篤哉さんの作品、面白いです。烏賊川市シリーズ読んでみたくなりました。4月1日に読むのにふさわしい騙されたような結末、楽しかったです。
2021/04/01
感想・レビューをもっと見る