クリーピー (光文社文庫 ま 20-1)
クリーピー (光文社文庫 ま 20-1) / 感想・レビュー
KAZOO
この作者は初めてです。映画を見ていたので原作ではどうなのかと思い、手に取ってみました。映像化されたほうとかなり話も異なっていますが、映画の方が原作よりも怖さを感じました。原作の隣人にはあまり怖さを感じないのですが、香川照之の方が本当にこわい気がします。小説の最後の決着はあっけないというか、このようなものなのか、という気がして少し肩透かしの感がありました。
2018/02/12
nobby
非常に読みやすかった。少し異様なお隣さんの評判から数年前の一家失踪事件も絡んでくる“隣人”の恐怖。実際の凶悪事件とも重なり興味深く読み進む。途中、大学教授な主人公の周囲に伏線匂わす描写が多いも肩透かし。勝手にもっと複雑な真犯人を追ってしまった(笑)悪の権化とされる人物もちょっと中途半端に終わったのが残念…何より犯罪心理学を教える立場で、その軽率で浅はかな行動に違和感が強かった。
2016/02/11
🐾Yoko Omoto🐾
前半は不気味な隣人の影を匂わせながら、主人公の周りで起こる友人の失踪やストーカー行為、放火殺人など、一体何が起こっていてどう繋がるのか非常に惹き付けられる展開だった。だが、総じて面白かった割には物足りなさや突っ込みどころが残る…という印象だ。“なりすまし事件”でストーリーを牽引しながらも、結局そこには重点が置かれないというアンバランスさに加え、期待していた展開とは違う方向に軸をずらされたことが原因か…。主人公が要所要所で浅慮過ぎ、犯罪心理学者という設定を生かしきれていないのも気になった。次作に期待。
2015/11/04
のり
警察が捜査のプロなら、この犯人は犯罪のプロだ。人の弱味につけこむ寄生虫。なりすまし家族をつくり、支配し隠れ蓑とし生活する。一見人当たりも良いが、一皮剥けば凶悪な連続殺人鬼。何度も後一歩までいくが、逃走能力も高い。異常な精神回路と人心掌握力。犯罪心理学者+警察VS稀代の悪魔。様々な不可解が絡み合い迷走するが驚愕の真実がラストを飾る…
2019/02/11
ナルピーチ
「あの人、お父さんじゃありません」その一言を切っ掛けに、大学で犯罪心理学を教える主人公“高倉”の前に奇妙な事件が次々と発生していく…。淡々と進む物語は派手さこそ無いものの、底しれない展開とジワジワとくる気味の悪さがあとを引く。それこそがまさに“クリーピー”。でもなぜか読んでしまうのは作者の術中にはまっている証拠とも言える。いわゆるホラー小説とは違った感覚であり、今の世だから成立する恐怖…。やっぱりご近所付き合いは大事にしないといけないですね。あなたの隣に住んでる人って本当に隣人さんで間違いありませんか?
2022/12/10
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