屍蘭 新装版: 新宿鮫3 (光文社文庫 お 21-18 新宿鮫 新装版 3)
屍蘭 新装版: 新宿鮫3 (光文社文庫 お 21-18 新宿鮫 新装版 3) / 感想・レビュー
しんたろー
第3巻は打って変わって静かな社会派サスペンスのようで、身近な人物が恐ろしく描いてあるのが面白かった。ゲストのふみ枝と綾香の共依存的な関係性や各々の孤独が、現代人の哀しさや歪みを表現していると受け取れたし、誰もが抱える狂気を感じた。巻を追う毎に渋い味が増してきた上司・桃井も良いし、新キャラ・藍の姉御肌も素敵。何よりも、鮫島の警官としての矜持や晶への愛情が丁寧に描かれているので、主役として立ってきている。事件自体は雑な部分もあるが、警察の裏事情や臓器移植の問題点を鋭く突いて、活劇がない割には緊迫感がある良作。
2020/05/07
ゆいまある
ひー。かっこいい。孤独な殺し屋と悪い女が大好きです。今回の敵は、東野圭吾、白夜行の雪穂みたいな悪い美女と、それを母の様に愛する孤独な殺し屋のおばちゃん。ストーリーは後半になるにつれ、駄目になってくんですが、前半のキーンと冷えた感じがとても好き。矢沢あいNANAみたいな晶と、晶にめろめろで、ある意味マゾヒスティックに支配されたがっているイケメン鮫島の掛け合いが私大好きで、もうこの二人をずっと見ていたい。鮫島がかっこいいから、医学的なことは突っ込まずにおきますが、クリニックを名乗っていいのは医師だけです。
2020/12/27
セウテス
【新宿鮫シリーズ】第3弾。鮫島の知り合いのポン引きが、遺体で見つかる。血液が体の中至る所で凝固して死亡するという、殺人か病気か判断が難しいものだ。しかし鮫島は数日前、彼からあやしい病院の話を聞いていた。今回は、闇の取引を行う事業家の女性と、その女性を娘の様に護っている殺し屋のおばちゃんだ。後半は警察やマスコミを利用しようとする事業家と、鮫島の限られた時間と読みの戦いに心臓が高鳴る。本シリーズの、物語の全体像が見えてからのスピード感は半端ない。鮫島が、要所では嫌われている訳ではない事が判り、嬉しくなった。
2022/05/06
びす男
殺人を繰り返す看護婦と、それを教唆する女。単線ではないストーリーで、読みごたえがあった。どの巻でも、鮫島は必ずピンチに陥り、そして復活してくる。しかし、そのバリエーションが様々だから、読んでいて飽きがこないのだろう。今回は殴ったり撃ったりしない知能犯が相手。強行犯でなくてもストーリーに緊張感をもたせるあたり、さすがであると思う。必ずホシを挙げるという、警察官の執念が伝わってきた。
2016/01/03
kei302
罠に嵌められ、警視庁から鮫島がいなくなる。前半は覚えていなかった。これは未読だったか? と思いながら読んだが、罠の部分から思い出した。鮫島のピンチを救う、警察内の理解者たちの存在が嬉しい。桃井と藤丸が渋い。
2022/10/09
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