炎蛹 新装版: 新宿鮫5 (光文社文庫 お 21-20 新宿鮫 新装版 5)
炎蛹 新装版: 新宿鮫5 (光文社文庫 お 21-20 新宿鮫 新装版 5) / 感想・レビュー
しんたろー
第5巻は、外国人娼婦殺害~ラブホテル連続放火~イラン人ギャングvs台湾人ギャングと往時の新宿らしい事件が絡み合い、「稲の害虫」まで追いかけるテンコ盛りの内容の上に、短い章で犯人目線が挿入され、中盤まで「何が何やら!?」と混乱したが、それを狙っての構成とも思えた。植物防疫官・甲屋のキャラが鮫島を喰ってしまう程に良く出来ていて、二人がコンビを組むのも面白かったし、畑違いの消防官との交流も興味深かった。物語自体は強烈な印象は残らなかったが、巻が変わる毎に趣向も変えてマンネリを避ける、著者のサービス精神を感じた。
2020/06/11
ゆいまある
まて。設定が入り組んでる。連続放火犯がいて、たまたま放火事件の現場近くで殺されたコロンビア人がいて、つまり殺人者がいて、コロンビア人の恋人のイラン人が窃盗団に関わってて中国人グループと対立して、殺された女性の一人がコロンビアからやばい害虫を持ち込んでいて、だからそれを抑え込む農水省の役人がいて、何故かその役人が鮫島の相棒になって、で、窃盗団も放火も殺人も全部鮫島が捜査して。いや、なんでボヤの捜査まで鮫島がすんの?女装する男性の書き方はこの時代にしては良いのが驚き。
2021/09/21
セウテス
【新宿鮫シリーズ】第5弾。今回は、南米から持ち込まれた害虫が、蛹から孵る前に発見するというタイムリミットの設定が珍しい。よって外国人娼婦連続殺人事件とホテル放火事件が、どの様に係わるのかいつも以上に興味を惹かれた。今回コンビを組むのは、植物防疫官の甲屋であったが、この人物がたいへん魅力的であり、尚且つ心配させられる事となった。シリーズの強敵となりそうな人物の初登場があり、中々謎を残す展開で楽しみは増えた。しかし、本シリーズは犯人当てが主体で無い分、肝心の殺人犯や放火犯が小者過ぎては緊張感には欠けると思う。
2022/08/28
びす男
娼婦の連続殺人と連続放火。その裏で広がる蛹の危機。消防、警察、検疫。状況を打開する3人の仕事人の姿が痛快。
2016/02/03
ピエール
盗品密売をめぐるイラン人と中国人の抗争から始まり、連続外国人娼婦殺害事件、連続ラブホテル放火事件、外来種であるイネの大害虫(蛹)が日本に持ち込まれる事件、と同時に進行していく4つの事件。抗争・殺人・放火事件を追いつつ、蛹の孵化も食い止めなければならないというタイムリミットサスペンス的な様相も呈していて、時間的な緊迫感を感じながら楽しめました。鮫島が消防官の吾妻、植物防疫官の甲屋と協力しながら捜査を進めていく様が新鮮で、現実世界においても持ち場を越えた連携の必要性をより一層感じさせられた一作でした。
2016/06/19
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