紅き虚空の下で (光文社文庫 た 37-5)
紅き虚空の下で (光文社文庫 た 37-5) / 感想・レビュー
寂しがり屋の狼さん
オカルトマニアの少女が絞殺され、両手首を切り落とされた姿で発見された。仮想天外な設定とひねりの利いた展開、絶妙なユーモア感覚が光る表題作。人里離れた山奥に捨てられた少年を襲う、残酷で哀しい運命を描く「兵隊カラス」など…忘れがたい強烈な印象を残す全4編。(◕ᴗ◕✿)
2024/03/01
Yu。
いずれも現実と幻想との織り重なりが見事に調和した内容で、一見 恒川光太郎テイストを酔わせつつ‥ からの苦味を残す突き落としが著者の真骨頂と言える皮肉塗れな四篇のホラーミステリ。。。比べるのもなんですが、あちらが叙情的に浸れるとすれば、こちらは純ブラックです(๑¯ω¯๑) …※ 可能性を秘めた作家さんだけあってこれからが楽しみ。
2016/05/21
だんじろー
限られた枚数での特殊設定は相当難しいはず。前半二作は「本格推理」で既読だが、再読してもその輝きは少しも変わらない。この趣向の作品をぜひまた発表してほしい。ホラー色の強い後半二作もインパクト抜群。独特の世界観は病みつきになる。
2014/11/15
mizuha
今まで読んだものとは大違い!!うっかり読んでギョッとした。どれもこれも立派なホラーで、あーびっくり!「落頭民」は、何人もの作家さんがモチーフにしてきた物語だけれど、本作もまたインパクト大。それにしても 物語それぞれに登場する子供たちの不憫なこと。悲しみを含んだコワーイ短編集でした。
2015/10/10
雑食奈津子
短編が4作品収録されている中で、特に気に入ったものは「蛙男島の蜥蜴女」。ミステリーなので犯人を探さなくてはいけないのだけど、犯人はもうはじめから明示されていた。気づけるかこんなの。魔法も超能力も一切出てこない。たしかにミステリーだった。おもしろすぎる。そこからの「兵隊カラス」は前2作ほどの衝撃は感じられなかった。「落頭民」はホラーちっくなので挑戦的に読んだけれど、とてもおもしろかった。怖いとは違う、おぞましいとでも言うべきか。ホラー大賞の最終候補作らしいが、この精度でも落選なのかとそっちのほうが怖い。
2016/11/03
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