天使は探偵: スキー探偵大鳥安寿 (光文社文庫 か 30-5)
天使は探偵: スキー探偵大鳥安寿 (光文社文庫 か 30-5) / 感想・レビュー
UPMR
麻耶雄嵩の神様シリーズの先駆け的作品と聞いて読了。確かに探偵=天使(本当にそうかもと思わせる描写は少ないけど)だが、神様シリーズのような本格ミステリのギミックとして用いるのではなく、作者お馴染みの哲学的思索のために導入した設定といった感じ。探偵は神として振る舞えるかという後期クイーン論をオウムを模した宗教テロリズムと絡めて描いている。雪山を舞台にした本格ミステリである個々の短編の出来はどれも優れているし、テーマも矢吹駆シリーズよりは分かりやすいので、作者の作品への入門としてはちょうど良いかもしれない。
2018/04/29
veckio
書店で見かけて気になっていたものを購入しました。が、正直イマイチ(^_^;)
2015/08/24
Jimmy
ド本格では法月をも凌駕するか、という大御所・笠井潔の連作短編で、長編だと哲学臭が漂って読みにくさにつながる作風のお方ですが、短編だとその臭さはあるもののスパイス程度でちょうど良い、と言えばちょうど良い。肝心のトリックもオイオイ、ってなものもありますが、総じては良くここまでひねったね!とある意味素晴らしい!しかし「神様が探偵」である天使度が巻末作までグッと上がってはいかず、ちょっと拍子抜けです。
2015/02/23
角
文庫版で追加された「黄泉屋敷事件」目的で購入、再読。主人公が、推理しなくても真相が分かるという能力を持つため、事件が進行し解き明かされる過程を愉しむ、という形の読書にはなりにくい。犯人の構築する犯罪と、それをきれいに解体していく探偵の対決を、見守ることになる。そしてそれは、美しい。端麗な論理構築物を見ているようで、それはそれで不思議な読後感が残る。しかし、「黄泉屋敷事件」ではさすがに「通常探偵の知り得ない情報」が混ざりすぎな気がする。真相が分かっても、事実はそうさくさく知り得ないのではないかと……。
2014/12/07
pucci
丁寧なトリック、ゲレンデが現場という珍しさ、その上天使が探偵。プラス要素が多いけど、関係者が隠れ信者がだらけなのはどうなんでしょう?仮面をはがせば皆信者、な感じでそこだけはマイナスだなぁ。
2015/11/25
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