妖怪探偵・百目2: 廃墟を満たす禍 (光文社文庫 う 18-4)
妖怪探偵・百目2: 廃墟を満たす禍 (光文社文庫 う 18-4) / 感想・レビュー
佐々陽太朗(K.Tsubota)
今作で道満一派陰陽師・播磨遼太郎の過去が明らかになる。加えて百目に己の過去を語らせた。生きるか死ぬか、食うか食われるか、淘汰の世界にあって思いやる心は弱さに繋がるのか。冷酷非情な心を持つことが強者たり得る条件なのか、それとも惻隠の情こそが真の強者の証なのか。上田早夕里氏が今後どのような物語を紡いで下さるのかまことに楽しみです。余談ですが、上田氏は姫路市にお住まいと聞いておりますが、実は私も姫路市に住んでおります。できればもっと姫路を舞台に物語が展開すればいいなぁなんて思っております。(笑)
2015/06/23
みっちゃん
あの風鎌を土に還した、拝み屋播磨の壮絶な過去と秘めた決意が明らかに。ちょっとこちらまで辛くなってしまった。登場人物の対話を通して展開される、妖や魔に対する考察は、結局人類の未来への懸念となっていて、【華竜の宮】の世界に繋がるルートを感じた。それにしても、表紙の百目姐さん、お美しいのですが、目力がありすぎて怖いです。もう夢に出てこないようにお願いします人( ̄ω ̄;)
2015/04/28
☆よいこ
妖怪バトルものか。1巻より正統派少年漫画ちっくになってしまった感。前巻主人公の、人間なのに妖怪に誑かされて妖怪探偵百目の助手(下僕)相良邦雄は相変わらず。異動願いを出すも出世して泣きそうな公僕の忌島刑事もそこそ頑張っている。けど最強拝み屋の播磨遼太郎が主人公だと、バトルまっしぐらだ。アニメ化して(テンプレ過ぎて駄目かな)▽[6.魔を追う者たち][7.来歴][8.隠された心][9.妖怪楼閣][10.マジューヌミーテトゥ][11.兆しの黒雲][12.清姫]▽人間vs妖怪vs濁(ダク)
2020/04/30
巨峰
もはや、短編連作ではなくて、長編小説の第二部となったこのシリーズ2。妖怪と人間が共存する真朱の街。その町で起こり始めた異変のために均衡を保っていたバランスが崩れていく。この巻では、陰陽師播磨遼太郎や百目・忌島の過去が語られます。すべての過去が明らかになったうえで、次の3巻。最終巻に続く。副題は最後の最後に解き明かされます。さぁ、どう決着するか。不穏さを纏って最終巻へ。
2017/09/24
けい
妖怪と人間の関わりを描く物語の第2弾。本作の実質上の主人公とも言える播磨遼太郎を過去に遡って、形作って行く物語。真の敵は何なのか、人間は、妖怪はどこに向かえばいいのか?上田さんぽい、やけに科学的な解説や表現が、よりファンタジー色を強める面白さ。ラストには緊迫感漂う敵との戦いが・・・。「妖怪」を「自然」と読み代えて様々に考え、想像する事もできますが、ここはエンタメとして楽しもう。さて、結末の第3弾へ。
2015/11/23
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