吸血鬼と精神分析(下) (光文社文庫 か 30-7)
吸血鬼と精神分析(下) (光文社文庫 か 30-7) / 感想・レビュー
ヱロ本Gメン
今ひとつ。このシリーズが面白いのはナディア・モガールが成長していく姿を謎解きや哲学議論を通じて感じるとかができるから。そういう意味で一作目、二作目は出色の出来だった。本書はナディアのそうした姿をあまり見ることができず残念。終章には満足したが。謎解きはタチアナの多重人格症についてに無理を感じた。カケルの追求にもキレが無かったかな。オイディプス症候群をちょっと読み直そうかな。
2017/01/03
花嵐
★★★★☆ 矢吹駆シリーズ第六弾。今作も読書カロリーがとんでもなく高かった!なまじオイディプス・コンプレックスなどの用語を知っていただけに、それから更に展開されていく精神分析学の話は理解はできても咀嚼するのが大変だった。正直、最後のナディアの問題が解決される所まではミステリとしてもめちゃくちゃ面白かったのだが、そのシーンだけは「うーん…」ってなっちゃった。このシリーズをここまで読んできて感じた事としては、現象学というか矢吹駆の駆使する現象学的推理は後期クイーン的問題にも絡んでいるような気がしてならない。
2024/05/24
ネムル
現象学的推理と精神分析の噛み合わせが悪すぎて、いかんともしがたい。
2023/09/01
リエ
いやぁ、凄かった。 ネタばれになってしまうのであまり深く語れないのが残念ですが、カケルの現象学的推理と畳みかけるような解決編に耽溺させられた。 情報量とスケールの大きさが半端ない。 読了してみると、本作に関しては『吸血鬼と精神分析』というタイトルしか考えられない。 ある意味、滅茶苦茶直球な対置だったんだなと目から鱗が落ちた。
2018/12/18
enmys07
ルーマニアからの亡命者が惨殺された。 手元には血で“DRAC”の文字が記されていた。 その捜査をしていると、ヴァンセンヌの森で女性の焼かれた死体が発見される。 しかも、その死体からは血が抜かれていた。 そして、女性の失血死体が第2、第3と続く。 カケルとナディアが調べていくと、吸血鬼事件にはつながりが見えてくる。 その矢先に、第4の犯行が発覚することになる…。 シンプルな事件であり、トリックも良く見かけたりするものだが、 今回は哲学に加え、精神分析を扱ったりしています。 やはり体力が必要だった。
2015/08/13
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