分離の時間: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-41 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)
分離の時間: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-41 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)
- 作家
- 出版社
- 光文社
- 発売日
- 2015-08-06
- ISBN
- 9784334769536
分離の時間: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-41 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ) / 感想・レビュー
NAO
表側から裏側へとビルを通り抜ける間に世間一般に知られている生活から別の生活へと移行、その間は日常の連絡から分離した誰も知らない時間となる。八木沢代議士の、分離の時間。調査を始めた時点では彼個人の問題とおもわれたが、実はもっとどろどろしたものが隠されていた。さすがは、松本清張。
2023/03/02
佐島楓
中編二作品収録。後に収められた「速力の告発」がよかった。こういった社会的メッセージ色の強い作品が清張の本領発揮であるし、当時の時代背景も垣間見られた。
2015/10/15
James Hayashi
短編中編の2編。45年ほど前の作品であるが時代を感じさせない。表題作ではホモを、もう一つは車の数と性能の社会問題を扱っている。海外に暮らし、日本製自動車の性能に誇りも感じるが、快適安全性を歌い売り上げ増進を狙うやり方には疑問符をうつ。激増する自動車数に社会はもう限界値(排ガス、渋滞など)を超えているだろう。エンディングは自動車関係での回答でなくジョークなような意外な展開。巨匠にしては小ぶりと感じる作品だった。
2015/10/20
きのこ
久々の清張ワールド。表題作の「分離の時間」はくどくどしくて楽しかったけど(笑)、「速力の告発」は本筋から外れた結末で、ん?って感じ。まあこれだけ著書があればそんなのもあるよね。ごちそうさまでした。
2018/11/22
竹園和明
「分離の時間」「速力の告発」の2篇。表題作よりも併載の「速力の告発」の方が松本清張らしさが出ている。自動車メーカーの販売至上主義と、当時の通産省との癒着に敢然と立ち向かう一般市民を描いた作品。執筆された昭和44年頃は車による事故が頻繁に起き始めた頃で、自動車メーカーは速さを競うように新車を投入し続けていた時代。自動車事故で家族を失った主人公を介して自動車社会に警鐘を鳴らすという視点が松本清張らしい。小作品ではあるが、ブラック感がジワジワと現れてくる辺りはそこそこ面白かった。
2015/09/23
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