しにんあそび (光文社文庫 ふ 16-4)
しにんあそび (光文社文庫 ふ 16-4) / 感想・レビュー
mihya
『奇妙な味』に属する短編集。ゾッとする話や笑える話なんかもあり楽しんだ。どれも面白かった。 「骨」は地元なのでよく分かる。屋上の神社は一応ビルの傍に御分社があるので地面と繋がってるとも言えるかも…。この話に出てくる百貨店のビルは話の中ではEの子会社Kとなっているが、それも2019年に閉店。当時一部のフロアにはいっていたAの経営になり、今はSと名称を変えている。…と、この遍歴でもう1本くらい話が書けそう。
2023/03/07
itoko♪
『奇妙な味』と謳っているだけあって、世にも奇妙な物語風のホラー短編集になっている。ラストを曖昧にしていることで、想像が掻き立てられ、怖さが増している。表題の『しにんあそび』は、それこそ数年前に、世にも奇妙な物語で観て、強烈に印象に残っていたストーリーが軸になっていて、怖さ倍増だった。最終話の『昭和の夜』は、夫の故郷が舞台なので、何だか懐かしさすら感じ、ラストにはホッとした。
2015/12/11
HANA
短編集だがどの作品も人生における陥穽というか、とても嫌な感じのものが集められている。著者自身が「奇妙な味の短編を目指した」と言っているが、どれもそれに応じたものばかり。特に顕著なのは「お化け屋敷」と「ゴミ屋敷」かな。何が起きたかは暗示されるだけで明らかにされていないが、読者の想像力を悪い方に悪い方にと引っ張っていく。それが見事ながら、とても嫌で怖い。表題作とかグラン=ギニョルの傑作を思い出させるし。その一方で「年始のやりくり」「昭和の夜」といったどこかコミカルな作品もあるし。読み応えのある良い一冊でした。
2023/04/06
sin
「奇妙な味」とあるがちと足りない。お約束の実話怪談をアレンジした作風に最近は人生の哀愁を振りかけておられるようだが、その部分が人間臭くて奇妙な味足りえないのだろうか?海外の「奇妙な味」とカテゴライズされた作品の多くは現実感に乏しく実人生に対しては無責任なような気がする。概して「奇妙な味」と呼ばれる作品からは職業文筆家としての技術をみせられているような平板な印象が拭えない。「うまい」とか「見事な」という形容詞はついても感動はない。求めておられるものはそうなのだろうか?
2015/08/07
川越読書旅団
世にも奇妙な物語@フジテレビに見るような作品が収められたホラー短編集。全作品がいわゆるおどろおどろしいホラー仕様というわけではなく、人間臭さやペーソスをベースに仕立てられた作品も多数あり、それぞれの作品を興味深く消化できるセトリ。これで7作目の福澤作品なのだが、福澤作品臭、存外大好きかも♪
2015/12/18
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