届け物はまだ手の中に (光文社文庫 い 35-14)
届け物はまだ手の中に (光文社文庫 い 35-14) / 感想・レビュー
しんごろ
これぞサスペンスミステリーというお手本のような物語。序章で惹きつけられて、グイグイと引きこまれた。あまりこの手のジャンルは読まないけど、たまにはいいかなと思った。伏線回収も見事だしね。楡井の見事な観察眼と推理力に脱帽。もう設楽は殺されてるのかと思ったけど、そういうことなんだと納得。でも、戦国時代じゃないんだから、こんな届け物はイヤだね。遠野嬢、あとは君の頭脳で関わったみんなを幸せにしておくれ。
2021/02/26
いつでも母さん
多分・・初『石持作品』3人の女と子ども1人に男が2人そのうち一人の男はなかなか登場しない。私は途中まで妻と妹、秘書この三人の女に殺されてる?と思ってた(汗)男たちが相手をお互いに裏切り者だと思っていて、それぞれに二人いる仇を殺していたなんて・・サクサク読めて最後も、は~こうきたかぁ!だったのが面白かった。それにしても、これからの人生をこの三人の女に手綱を握られていて『運命共同体』になるってのはキツくはないのかい?なんて・・ね。少ないキャストでの心理を読むのがなんだか新鮮だった。
2016/01/31
しょーくん@本棚再編中
★★★★★★☆☆☆☆いかにも石持さんらしい作品でした。石持ワールドに慣れていない人が読んだら、こんな状況はあり得ないだろうとか、そんな事はいちいち考えないだろうとか、イライラしてしまいそうですが、こういう心理戦を持ち込むあたりが、石持ワールドの面白いところです。
2015/12/07
したっぱ店員
たくらみを持って友人宅を訪れた男、家族には歓待されるが本人には会えない、何かあるのか??主人公である客人の男の脳内考察を順々に追うストーリー。会話や動作から読みとるロジカルな分析はこの著者らしい。同じ材料で読み手も自然に推理しながらの読書となり、パズルをとくように楽しめる1冊。面白かった。
2015/11/04
かかな
ファン向け作品!いつも通り小さな疑問をこねくり回し、悶々と思考を巡らせる流れ。石持作品の真骨頂です。ミステリーへのこだわりが強く、後味の悪さや驚愕のラストを謳う作品を読んではガッカリしてきました。石持さんは読んでいてとにかく気持ち良くて、びっくりするくらいの満足感。畳み掛けるようなラストも、同じような作品とは違って投げやり感がありません。「こういうのを読みたかった!」と毎回思わせてくれて、完全にお気に入りの作家さんに仲間入りです。善悪の境界が曖昧なキャラが居るからこその読み応えだと思います。
2016/09/03
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