波羅蜜 (光文社文庫 ふ 15-3)
波羅蜜 (光文社文庫 ふ 15-3) / 感想・レビュー
ちょこまーぶる
ページを捲るのが早かった部分と遅かった部分が混在している一冊でした。この作品に描かれている葬儀屋さんと病院の関係を面白く読めたのですが、何か途中から怪しげな新興宗教の様な「死」に対しての身勝手?な集団心理の羅列は、僕にとっては難しすぎたのか、必要性は感じなかったですね。それなら、純粋に葬儀屋さんとの関係からの癒着とか契約の競い合いとかで進めてもらいたかったですね。葬儀屋勤務の経験のある壇蜜さんの解説は面白かったですね。タイトルの蜜つながりは意味があるのかな?装丁でハードルを上げ過ぎた事は否めません。
2018/03/21
sibafu
文庫になったので再読。一度目読んだ時には、独特のダークなルールの世界観にページをめくる毎に引き込まれていった。再読する前は、主人公倉木が巻き込まれていく物語の展開も結末うろ覚えだったけど、読み直して筋はハッキリと頭に残っているのだけど、それでもコップの底に沈殿したにごりが残ってくる。文庫版の解説を書いているのはまさかの壇蜜(最近名前すら目にしないけど)。新装したエロチックさとインモラルさを感じさせるカバーの雰囲気に合っている。壇蜜も短期間だけど葬儀の仕事をやっていたことがあるらしい。
2016/10/01
eipero25
裏表紙のあらすじがおもしろそうだったので、読んだが、それだけだった。それが全てだった。オチもどんでんも何もない。 文則的文学作品を想像したが、別もんだった。 長いだけだった。 芥川賞作家とは思えんね。
2018/03/08
misatomarble
文庫本で再読。私の場合、単行本で読んで文庫本で再読するのは、かなり好きな作品になる。「波羅密」も黒くて良い。初読は2010年6月。ジリジリと暑い季節に読むべし。どす黒い気分になること間違いなし。
2015/12/18
雨音
解説が壇蜜さんということで読んでみた一冊。どろっとして重く毒々しい空気が線香のように静かに全体に揺蕩う物語。夏のもわっとした空気感と相まってまさに「嫌な汗」を誘う。人々は日常で「死」に向かいながら生きているのに、葬儀は日常から切り離そうとする。「死」を眼前にぶら下げてこそ、生きることを精一杯全うできる。「死」を究極に毒々しく描くことによって、生きることについて胸にねばねばしたものを残す一冊だなと思った。
2017/04/27
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