海賊女王 下 (光文社文庫 み 16-4)
海賊女王 下 (光文社文庫 み 16-4) / 感想・レビュー
のり
海賊女王VSイングランド・エリザベス女王。君臨する者の威厳・葛藤・孤独。武力もされど心理戦の駆け引きも醍醐味。同じイングランド人でも冷酷無比な者もいれば、一定の理解を示す者もいる。アイルランド側も一枚岩になりきれないのがもどかしい。クランの派閥争いより大事があるだろうに…グローニャの元に熱く生きた男達の勇姿が目の裏に焼きつく。宮廷内の政治争いも生き残りをかけて生々しい。今年のベスト5入りは当確な超大作。満足。😄
2019/06/10
佐島楓
凄い。登場人物の息遣い。ひとりひとりが生に満ち、躍動している。やはりこういう完成度の高いものこそが作品であり、小説であってほしい。
2016/04/16
Rin
年を重ねていく毎に魅力も重ねていくグローニャ。そしてアランや仲間たちとの途切れない絆を見せてもらえた。幼子たちが誇れる大人であったと思える彼ら。小さなクランが大国と戦うことの困難さや、彼らの生き抜いた時代などしっかりと見つめることができた。そんな中でも女王とグローニャが何を語りあったのか。彼女たちの胸の裡が気になるけれでも、アランやセシルの目線で見つめる彼女たちだからこその物語だったと思う。強くあろうとした海賊女王の二人、もっと読んでいたいと思いつつも、最後の子どもの台詞と大きい兄ちゃん。余韻に浸ります。
2018/11/21
つねじろう
こういう生き方って良いよね〜。後悔しないだろうね自分の命の火が消えるまで。辛い思いや口惜しい思いは何度もするだろうけど。上巻からそうだったけど下巻になってよりビジュアル映像的。正装してイングランド女王に見える海の女王。その丁々発止とトップ同士でしか分からない共感を短い文章で描く筆力はお見事。戦闘時常に舳先の一番前での不動の姿勢は惚れる。東郷元帥?でその姿に魅せられて最後まで付き添うアランとオシーンに泣く。でこの物語が史実に則ってる事がより人間の可能性の無限さとドラマチックさを肯定してて気分上々のお話です。
2016/02/14
goro@80.7
海賊女王グローニャの大河物語。イングランドに蹂躙されるアイルランドの歴史の一端を知った想いです。現代となっても何故独立したいのか分る。一枚岩になれない氏族達。イングランド宮殿で謀られる権謀術数。一族を率いるグローニャは惚れてしまうほど男前。付き従うアランとの強い絆が芯となり最後まであきない。これは誰?どこの人?とこんがらがりそうに多い登場人物ではありますが、80歳を越えた皆川博子の筆力には本当に圧倒されます。凄いわ。
2016/11/27
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