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象の墓場 (光文社文庫 に 23-1)

象の墓場 (光文社文庫 に 23-1)

象の墓場 (光文社文庫 に 23-1)

作家
楡周平
出版社
光文社
発売日
2016-03-11
ISBN
9784334772529
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象の墓場 (光文社文庫 に 23-1) / 感想・レビュー

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W-G

読みごたえがあった。コダックをモデルとした小説であり、客観的に見ているぶんには、なぜこんなに後手にまわってしまったのか不思議で仕方ないが、内側から詳細に描かれることで八方塞がりな様子が物凄くリアルに感じとれて共感すらしてしまう。本当なのかどうかは知らないが、ゲーム機やプリクラでチャンスを逃しているのが読んでいて歯がゆくなるし、のめり込んでしまう。残念な点としては、ソアラの息の根が完全に止まってしまうところまでキッチリ描かれずに終わってしまったこと。何気に一番読みたかった部分だったので、そこが惜しい。

2021/10/27

pdango

★★★★☆フィルムカメラからデジタルカメラへ。技術革新の波のなか舵取りを誤り、超一流企業があっけなく衰退していく様子がリアルに描かれ面白かった。本筋ではないが、まだデジタル化が世間ではピンとこない時代に、証明写真のデジタル化の開発をしようとする場面で、外務省に「パスポートに使ってるラミネートの材質を教えてくれ」と問い合わせると「国家機密」と言われ、そもそも申請書類の『写真』とはフィルムで撮ったもののことであってそれ以外は写真ではないと一蹴されるところ、やけにリアル。外務省、ほんとに言いそう(笑)

2018/09/02

かんらんしゃ🎡

★いまやフイルムを知らない子供が居るんですよ  なに~、やっちまったな  男は黙って日光写真!男は黙って日光写真!  それ『月刊ぼくら』の付録だよ~★アナログからデジタルへ平成の産業革命の中、写真業界は劇的に変化した。巨大企業コダックをモデルとしたフイルム会社の凋落ぶりを内部から描く。そのころ私もどっぷり業界の中にいましたからね。苦い思いを抱いて読みました。「写真なんて一度見て終わり。そんなものだった」自虐的な言葉に、銀塩時代のおごりと怠慢が垣間見える話でした。

2019/02/15

Walhalla

デジタルカメラの普及によって写真フィルム産業が消えた・・。物語のモデルは、黄色いパッケージが印象的なあの企業ですね。超優良企業と呼ばれながら、デジタル技術の急激な勢いにのまれていく様子が描かれています。さて、今後AI・IoT・5G等の普及によってさらに進行すると言われるIndustry4.0/第4次産業革命ですが、新技術の出現で起こる市場変化への対応が遅れた企業や業種は、やがて衰退し淘汰されるのでしょう。以前、著者の作品にあった『安定は情熱を殺し、緊張、苦悩こそが情熱を産む』という言葉を思い出しました。

2019/06/28

PEN-F

かつてフィルム市場で圧倒的なシェアを誇り、世界を席巻したコダックの破綻の物語。人の意思の強さなど、安くて便利で良い品の前では無惨に打ち砕かれる。当時、先輩写真仲間のじいちゃん達が「写真はフィルムじゃなきゃダメだ!デジタルなんて写真じゃねぇ〜!😤」と息巻いていたが数ヶ月後には皆揃ってしれっとデジタルカメラに鞍替えしていたのを思い出す😑当時、いち早くデジタルカメラにシフトしていた俺に裏切り者呼ばわりでめちゃめちゃ説教してきたのはどこのどいつだったのかとツッコミたくなるのを必死でこらえた懐かしい記憶が甦える。

2024/04/04

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