クリーピー スクリーチ (光文社文庫 ま 20-3)
クリーピー スクリーチ (光文社文庫 ま 20-3) / 感想・レビュー
🐾Yoko Omoto🐾
「総じて面白い割にどこか突っ込みどころが残る」という、前作“クリーピー”と似たような印象に留まるも、一気読みさせる勢いは前作同様。。猟奇的連続殺人というモチーフを使った不気味さの演出は巧く、予想を裏切る展開もアリだ。だが、その裏切りが「えっ!?そうなるの!?」と、どこか重心がずれていくような違和感が拭えず。異常心理者の正体を突き止める高倉の見解を最後のみに留めたことでどうにも真相に後付け感が拭えない。物語後半の“島本”の心理状態は非常に面白く読めたのだが、前半の女性に対する妙に邪な感情には嫌悪感が残った。
2016/04/25
nobby
何だか平坦な作品。前作での強烈な一言の印象と、クリーピー(ゾッとする)スクリーチ(鋭い叫び声)から期待高く読むと、かなり拍子抜けしてしまう。ゼミ担当教授からのセクハラを訴える女子大生に始まる大学構内での連続殺人。その現場では必ず猿が鳴く様な奇声が聞かれていて…うーん、思い起こして全部が中途半端で惜しい。語り手となる島本の容姿への劣等感や卑猥な目線描写と、容姿端麗でいて軽薄な面々との対比など、意図的な思惑の暴走を感じる…真犯人の動機が唐突に放り込まれたり、何より肝心な“スクリーチ”の正体が凡庸なのが残念。
2017/09/24
のり
大学内で教授からのセクハラを訴えていた女子学生が校内で殺害された。相談を受けていた職員の「島本」と「唯」は教授を疑うが、次々と女生徒が命を奪われていく。大学には前作の高倉教授が赴任していた。連続猟奇的犯人の動機も不明。警察の捜査も進展なし。島本と唯の関係にも不穏な空気が…悪意漂う校内での負の連鎖を絶ちきるのは生半可ではない。
2019/08/17
H!deking
クリーピーの続編。とはいえ前作とのつながりはあまりないので前作忘れてても普通に楽しめました。これもすぐに忘れそうだけどw面白くないことはないんだけど、ちょっと動機が弱いかなって思ったのと、全体的にあっさりしてるように感じました。もっとドロドロのぐちゃぐちゃが好みですwまあでもこれはこれで良かったかなという感じ。
2019/06/21
モルク
島本の勤務する日野市の琉北大学で、指導教授のセクハラを相談していた女子学生が校内トイレで惨殺され、そこには獣のような金切り声が響き渡っていた。そして次々と文学部の女子学生が同様の手口で殺される。島本は次第にその渦中に巻き込まれていく。前作の高倉教授は脇役にまわるが、彼と彼の妻が後半重要な役割を果す。連続殺人の動機が今一歩弱い。またそれに乗っかる新たな殺人も安易な感じ。全体的にあっさりしているが、最初の島本の印象ががらりと変わり粘着質で気味が悪い。前作とあまり繋がりがないので、前作を読んでなくともOK。
2020/03/11
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