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我慢ならない女 (光文社文庫 か 55-2)

我慢ならない女 (光文社文庫 か 55-2)

我慢ならない女 (光文社文庫 か 55-2)

作家
桂望実
出版社
光文社
発売日
2016-06-09
ISBN
9784334773007
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我慢ならない女 (光文社文庫 か 55-2) / 感想・レビュー

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相田うえお

★★★★☆17004 小説内にポツポツ入り込む埋め込まれ話があるんですが、これがいいんです!うまい組合せですね。で、思い出しました。昼休みの事です。当方の会社に訪問販売の人が来たんですよ。カバンからタバコの箱くらいの大きさの電動機器を取り出して「これ小型掃除機なんです」と、机の消しゴムカスを吸い始めたんですね。で、「この機械の凄いところがスイッチを逆にするとドライヤーになるんですよ!」と得意げにスイッチ逆転!なっ!なんと温風が消しゴムカスと一緒になって出てくる出てくる。吸うと出すの組合せ悪いだろー!

2017/01/10

ユザキ部長

私はただの変人。変人で結構。一向に構いません。との事。書かねばならない「業」に取りつかれた作家人生は起伏が激しい。けっこう難解でした。

2018/02/20

hit4papa

エキセントリックな女流作家と彼女を慕う姪の、山あり谷ありの二人三脚を描いた作品です。小説を書かねばならない「業」に囚われた作家が、ベストセラー作家の仲間入りをし、やがて落ちぶれ、そして…と続きます。タイトルの「我慢ならない」というのは考えの浅い人間に対する作家の攻撃的な性格を表しているようですね。毒を撒き散らすキレっぷりは、中々のものです。そんな作家の才能に惚れ、人生を捧げた姪。二人の付かず離れずの関係性が絶妙です。随所に作家が著した作中作が挿入されているのですが、これがまた良いのですよ。

2021/11/14

hrmt

桂作品3作目。物語で描かれる創作作業は著者の実体験か?だとしたら、なんと痛々しく辛い作業だろう。血を吐くように苦しんで産み出しても努力だけでは生き残れず、それでも書くことをやめられない。他者と比較され世の評価に左右され、己の能力を信じようとも不安に慄く。そんな生活の中で明子の存在は静かな支えとなる。挿入される作中話がひろ江の自伝らしき物であると思えた辺りからは、業のままに生きる幸せすら感じさせるのだからきっと因果な商売だ。そんな事を思いながら、作家の方々の業の産物を堪能させて頂ける幸せを噛み締めた。

2017/08/20

エドワード

明子は叔母で作家の樺山ひろ江の手伝いをしている。決して我慢ならない女ではないよ。多少意固地で無愛想だが、むしろ涙ぐましい努力家だ。喰えない編集者、映画会社、俳優等がワンサカ現れ、作家の道はけものみち。ヒット作が出て、パーティーを開き、安アパートからお屋敷に引越し!しかし舞台がコケて、注文が途絶える。それでも書き続けなければ消えるのみ。ひろ江のセリフ「アイデアなんてそうそう浮かぶものじゃない。捻り出すもんだ。」は真実だな。ひろ江が万年筆で書く原稿をワープロで打つ明子がいいね。珠玉の作品、謹んで拝読します!

2021/05/30

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