二歩前を歩く (光文社文庫 い 35-15)
二歩前を歩く (光文社文庫 い 35-15) / 感想・レビュー
スカラベ
心霊現象自体を否定せず、それありきのオカルトミステリーとでもいえる6つの短編集。主人公たちが奇異な体験を会社の研究員である小泉に相談し、これを紐解いていく。相談者たちには後ろめたい裏の影があり、真相を突き詰めていく上でこれが炙りだされる。誰も見ていない間にスリッパが移動する「一歩ずつ進む」、通行人が何故か自分を避ける「二歩前を歩く」の最初の2編でパターンが見えた気になるが、「四方八方」ではオカルト色は消えたと思いきや最後の1行で驚愕。最後の「九尾の狐」はホッとさせられるエンディングで全体の暗さが和らいだ。
2016/11/16
hnzwd
人間では起こせない事象を、どうやって、ではなく、なぜ、にせまって描いた短編集。超常現象を理論で説明していくのは好きな感じですが、、もう一捻り欲しかった気も。一歩ずつ進む、九尾の狐が好きなタイプです。数字がタイトルに入ってますが、六だけ無いのは、、話が六話あるって所で誤魔化してるのかな。
2016/09/19
かかな
石持ミステリー×超常現象!ホラーテイストな雰囲気もあり、かなり読みやすい短篇集です。研究者小泉くんの仮説・実験・考察がとにかく素晴らしい。『幽霊の仕業なら、HOWじゃなくてWHYを考える』をじーっくり堪能。お馬鹿すぎず軽すぎずな雰囲気が心地よくて、やっぱり石持さんは自分の中でハズレなしです。わたしも理系な仕事をしているので、「いないことの証明は難しい」が身に沁みました。小泉くんシリーズ、長編も読んでみたい!
2016/11/04
きっしぃ
HOWじゃなくてWHYの謎を解く短編集。勝手に動くスリッバ、自分の二歩前を歩く見えない存在、勝手に点くお風呂の電気、いつの間にか補給される車のガソリン。“どのように”はすべて超常現象なので、その謎は解けないけれど、どうしてそういう事が起こっているのかの原因は、全部ぞわぞわ!いっつも論理的な推理の石持さんしか読んでなかったので、こういうのは斬新だけどとても面白かったです。家に帰るのちょっと怖くなるけど…。
2017/08/08
tom
おぉう、相変わらず奇抜な話を書かれるお方だ。受け入れられない人には何だこりゃって感じだろうけど私は嫌いじゃない。特に表題作かなぁ。しかし自絞という言葉があるのに驚き。話が進んで結局全部そういう系ね、と思わせておいてのラストはかなり好き。だけどこんな話をいくつも聞かされても平然としてる小泉くん(もしかして彼の正体…?)が一番すごい。
2017/04/29
感想・レビューをもっと見る