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踊る猫 (光文社文庫 お 51-1 光文社時代小説文庫)

踊る猫 (光文社文庫 お 51-1 光文社時代小説文庫)

踊る猫 (光文社文庫 お 51-1 光文社時代小説文庫)

作家
折口真喜子
出版社
光文社
発売日
2017-02-09
ISBN
9784334774295
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踊る猫 (光文社文庫 お 51-1 光文社時代小説文庫) / 感想・レビュー

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sin

妖かし噺と云うよりは、いっち優しい人情噺だ。そして、人の世の摂理に逆らうものではなく哀しい結末に優しさを添える物語と云える。なかでも子を想う母の話は身に詰まされる…今年亡くした母に親不孝をしてしまったことに、今更ながら後悔の念に絶えない。さて受賞作の短編『梅と鶯』は良くできた話だが、話の展開が創りすぎで危うい感じがした。若旦那がよくも素直に宗七達の話を信じたものだと…何れにしても「人の世は 生き死にのまの めぐりあい」なのだろう。

2018/12/17

papako

アンソロジーで気になって。与謝蕪村が出会う不思議なお話たち。流れるような京の言葉、蕪村さんのとぼけた感じが楽しい。ちょっと不思議でちょっとぞわっとする。表題作とアンソロジーのと『梨の花』が好き。最後の『梅と鷺』は新人賞受賞作らしいけどおまけ?すごく切なくていいお話なのに、読みにくかった。文章があっちこっちしていたからかな。うん、次もそのうち読もう。

2020/12/23

nico🐬波待ち中

江戸時代の俳人・絵師の与謝蕪村。蕪村が見聞きした摩訶不思議な出来事を綴った幻想奇譚。蕪村の怪異を愛おしむ目線がとても柔らかい。だから妖しい出来事が起こっても全く怖くなく、優しく温かな気持ちになれる。中でも「踊る猫」「雪」「夜の鶴」「鳶と烏」「梅と鶯」が印象に残った。人生の儚さ愛しさをしみじみと感じ入り、どれも清々しく心地好いものばかり!不思議を不思議と真っ正面から受け入れる。眼には見えていないかもしれないが、間違いなくそこにある…。蕪村の案内でとても素敵な時間を過ごせた。続編の『恋する狐』も是非読みたい!

2017/02/18

NAO

【寅年にネコ本を読もう】10の短編は、9編が蕪村が登場する話で、最後の「梅と鶯」は第3回小説宝石新人賞受賞作品だ。それらの多くは、怪異と関わりがある。「かわたろ」はカッパに恋された女性の話だし、「雪」は雪女になってしまった女性の話だ。怪異と関わりのない話もあるが、そこは、蕪村と絵と俳句、という繋がりを持つ。蕪村は絵も俳句も遅咲きで、大成するまでは何度も旅に明け暮れていた。そういった蕪村だからこそいろんなところでいろんなことを見聞きしたからこそのあの達観したような飄々とした俳画であり⇒

2022/02/01

mint-s

『画家で俳人の与謝蕪村が見聞きした不思議な物語』九編と小説宝石新人賞受賞作。それぞれの物語の中に哀しみや温かさ、ユーモアが感じられる味わい深さと美しい情景描写にうっとりしながら読み、蕪村の句も楽しめるというなんとも贅沢な一冊でした。応挙が登場する『踊る猫』、遣り手ばばあの『鳶と烏』、若夫婦の切なさが胸に染みる『梅と鶯』が特に好きでした。

2020/08/10

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