サヨナラ、おかえり。 (光文社文庫 ま 13-2)
サヨナラ、おかえり。 (光文社文庫 ま 13-2) / 感想・レビュー
ましゃ
死別(サヨナラ)と再会(おかえり)をめぐる6つの物語集。これは血沸き肉踊るグロの名手牧野修とは思えない異色作。生きる事、死者を思うという事を考えさせられる作品集です。私は特に『タカコさんのこと』が好き。4人姉妹の次女として生まれ、成績が悪く性格が子供っぽかったため、子供からは好かれたが家族からは一族の恥さらしだと憎まれていたタカコさん。しかし、タカコさん自身は決して家族を憎んだりはしていない。「恨みや怒りは生きている理由になっても死ぬ理由にはならないもんだね」本書はやさしいオバケのお話、優霊達の物語です。
2018/08/14
たぬ
☆4 ありがちな死者と生者をつなぐハートフルストーリーだな、結末がきれいすぎてちょっと退屈かなと思ったのは前半3編まで。後半3編は何があったのレベルで面白くなってる。特に「オバケ親方」がお気に入り。「ぼく」のために行動する親方やカオ姐さんらがコミカルかつ情にあふれてて。タカコさん素敵な人だな。
2021/11/30
トリプルアクセル
幽霊たちとの交流を描いた、ハートウォーミングストーリー。牧野先生の作品の中では異色作。「チチとクズの物語」のユーモア、「タカコさんのこと」のサプライズと余韻の残る切なさが良かった。
2017/07/12
yamakujira
「チチとクズの国」は借金苦の息子を父親の幽霊が、「夏休みを終わらせない方法」は自責の念を募らせた若者を親友の幽霊が、「草場の陰」は孫娘の死を嘆く老人を少女の幽霊が救う。前半の3編はハートウォーミングな物語で好みじゃない。飼い猫の幽霊が子供の行方不明事件を解く「プリンとペットショップボーイ」、振られた日に事故死した青年の幽霊が先輩幽霊の協力で彼女を救う「オバケ親方」はコミカルでおもしろい。最後の「タカコさんのこと」は、同調圧力の犠牲になったタカコさんの境遇が哀しいより、怒りを感じるな。 (★★★☆☆)
2020/08/17
むらさめ
いつもの怪電波ゆんゆん牧野修とは思えない、タイトル通りドストレートの優霊モノ短編集で拍子抜け。かと思いきやそこは牧野修、琴線にガンガン触れてくる良作でした。どうした牧野修。
2017/09/07
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