ロンドン狂瀾(上) (光文社文庫 な 45-1)
ロンドン狂瀾(上) (光文社文庫 な 45-1) / 感想・レビュー
TATA
時代は大戦前夜の1930年。日本の行く末を案じ軍縮、国際協調へ舵を切らんとする浜口首相と幣原外相。ロンドン海軍軍縮会議での条約締結に向け若槻翁以下が英米政府代表と、そして国内では政府と海軍との激烈な交渉、駆け引きが展開する。やはりこの時代背景こそが最高の舞台装置だ。うーん、「その時、歴史は動いた」を彷彿とさせる臨場感。上巻で交渉妥結、さあ下巻では何が待つ?
2018/09/05
えと
1930年ロンドン海軍軍縮会議を巡る攻防を、外交官目線で描いてある。米英の7割を強硬主張する海軍、6割に抑えようとする米英、条約不成立を避けたい政府&外交官。ニン(なん)ともかんとも…日本の歪みがみえました。バックグラウンドが詳しくて、わかりやすかったです。
2018/06/01
トリプルアクセル
ロンドン海軍軍縮会議をテーマにした歴史小説。思いのほか読みやすくて一気読み。主人公はオリジナルの外交官だが、基本的には史実通りの登場人物が登場し、史実通りに話が進んでいく。それにも関わらず、私のように近現代史に詳しくない人間でも飽きさせない面白さだった。
2018/11/05
keisuke
とても面白い、けど難しい。てっきり会議がメインになるんやと思ったら早々に始まって驚いた。下巻でまだ波乱があるのか。にしても海軍の悪役っぷりはすごい。司馬遼太郎が嫌った日本の軍人達だ。昭和初期って江戸時代生まれの人がまだいたりしたんだな、と改めて気づいて江戸時代の近さにも驚く。松平容保の息子はあんな人なのかと悲しくとなる。
2018/04/12
ほうすう
1930年に行われたロンドン海軍軍縮会議をテーマに扱った小説。戦前期の昭和史を扱った小説は珍しい気がするし、濱口・幣原・若槻といった面々が活躍している小説もなかなかないのでは。彼らも実に魅力的に描かれている。そして、昭和の嫌な足の引っ張り合いというかどうにもならなさをよく描けていると思う。晩年の東郷さんは何ともねえ…。少々説明が多い気がするのと、上巻の時点ではわざわざオリジナルの外交官を出させる意味があまりなかったのではというのが残念。
2018/08/13
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