京都三無常殺人事件 (光文社文庫 は 34-4)
京都三無常殺人事件 (光文社文庫 は 34-4) / 感想・レビュー
じいじ
つぎつぎに起きる殺人事件―花房観音が初めて挑むミステリー小説。舞台はホームグランドの京都。30歳の独身刑事が、幼馴染美女三人組の協力を得て事件解決に奔走します。思った通り独身刑事は、未亡人美女に一目惚れ「ほの字」に…。文中、名所の由来や彼方此方の美味いモノなどのオマケ情報付きで、得した気分に…。花房観音の小説だから…と期待していた、濡れ場が描かれていないのが少しばかり残念です。ホッと笑いも誘うエンタメ・ミステリーです。
2018/09/10
Kei
タイトルと書き出しで、あっ、観音さん、山村美紗になろうとしている?!と思いきや。京都の名所や食べ物屋さんを紹介しながらの、探偵役の美女、コンビになる刑事、作家、芸妓、バスガイドと、なかなかのラインナップ。しかし、どうしても美沙さんになれるほど軽くない観音節。官能は抜きでも、怨念は健在。アッとつながる終章でした。
2022/02/02
いたろう
京都在住で、京都を知り尽くしている著者による京都ミステリ。その昔に、人を葬った場所だという、京都・三無常の地、鳥辺野、化野、蓮台野を舞台にする殺人?事件を捜査するのは、京都府警の田村刑事、30歳。この刑事、刑事物にありがちな、熱血型とは正反対で、公務員として、刑事の仕事を淡々と行っている草食系。しかしそれが、意外に着実な成果に繋がっている? 京都と言っても、北部の舞鶴出身の彼は、歴史にも興味がなく、京都市内の名所とその歴史をほとんど知らないが、その彼に周りが教える形で、京都の名所が紹介される構成が面白い。
2022/06/30
はつばあば
花房観音の小説に濡れ場が描かれていない小説・・と読み友さん。そりゃ読まずばなるまいと。う~ん、私はなんて情けない学生時代を送ったのだろう。舞台となった近隣の高校大学と過ごしたのに全く京都を知らずに・・他県や海外に目を向けてしまっていた。グーグルマップで検索しながら京都を地図の上でしかもうたどれない。我が人生最大の損失と悔やみきれない。京都に興味のある方は是非この本を道案内にお越しください。
2018/09/17
キンモクセイ
蓮台野、化野、鳥辺野の三無常の地で起こる殺人事件。刑事だけどあまりやる気のない田村は捜査の途中である土産物屋の美しい女性、月寺松葉と出会う。京都在住でも全く詳しくない田村に松葉は京都の歴史と名所を案内しながら、事件の解決に協力してくれる。田村は松葉に好意を寄せながら上手く進展できないでいるのたが...花房さんお得意の官能小説ではなくミステリー。でも、京都、土産物屋、着物が似合う美しき未亡人と公式は成立する。軽めのミステリーで、どちらかというとサスペンスドラマみたい。
2019/12/12
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