影の車: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-54 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)
影の車: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-54 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)
- 作家
- 出版社
- 光文社
- 発売日
- 2018-07-11
- ISBN
- 9784334776862
影の車: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-54 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ) / 感想・レビュー
ミッフー
七つの短編で構成された、人間の業やエゴにまつわる物語✨「潜在光景」は愛人の連れ子が母を奪った自分に殺意を抱いているのではと恐れ慄きその子を殺めてしまう物語😫昨今類似した事件をちょこちょこ耳にするが、犯人もこの主人公同様心理状態に追い込まれていたのか⁉️「確証」は妻の不貞を疑う男が妻に淋病を感染させ間男を探し出そうとする滑稽ながら痛い程気持ちが分かる物語🤣妻は二股おろか三股かけてたのか⁉️特にこの二編はすっかり主人公になり切り没頭して読んでいる自分が😍出来れば短編より長編でじっくり読みたかったな〜💦
2019/09/27
NAO
7つの短編に共通するテーマは、殺人に至る動機、その後の犯人の態度、の淫靡さ。『薄化粧の男』はタイトルもなにやら淫靡だし、その殺害方法も、当時としてはかなり新しく奇抜なものだったと言えるだろう。決して結びつくはずがないと思われる者同士が影で密接につながっているということこそが、何よりも淫靡というものだ。
2019/05/06
ミツツ
人間心理の影を積み込んだ車が走って行く、そんなミステリアスな短編集。お初の松本清張先生で身構えておりましたが、切れ味鋭い傑作選という事で大変面白く読めました。女性の言葉遣いなどは時代を感じずにはおられませんで、それ故にいっそう色っぽかったです。
2019/11/13
ぐうぐう
『影の車』というタイトルが示すように、人の心の影が車のように走り出し、犯罪を起こしてしまうミステリが収録された短編集。松本清張と言えば社会派推理だが、清張の、特に短編を読むと、アクロバティックなトリックに真実味を持たせるために社会派というリアルな動機を採用しているかのような倒錯的な解釈をしてしまいそうになる(例えば「確証」における夫が妻の不貞の証拠を掴む方法の、なんと大胆なことよ)。それほどに、ここに収められた短編は奇妙で奇抜なのだ。(つづく)
2023/04/03
mashumaro
7話の短編集。どの短編も時代は昭和を色濃く映しているけれども、人間の営みは時代の流れとは無関係で、今も昔もそう変わらないと思わせるものでした。そしてどれも秀逸です。思いがけないところから悪事が露見する「万葉翡翠」。翡翠の持つ神秘性と万葉集、短歌の叙情性が美しい。「鉢植えを買う女」の男にはない逞しさ、「確証」の男の嫉妬。明るみに出ない悪事に光を当てている。
2022/12/30
感想・レビューをもっと見る