ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)
ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫) / 感想・レビュー
馨
短編集。読みやすかったです。毒親、毒娘がテーマで湊さんらしさ満載でした。文章が会話口調(取り調べの受け答えや、メール口調)で進むのに情景もよくわかります。今後、物事は何にしろ多角的に見て、片方の側の言い分だけしか聞かないことはやめようと思いました。語り手が変わるとガラリと状況が変わり、出来事の中心人物から第三者に変わってもまた違う見方が出来、構成も巧いと思いました。
2018/10/11
さてさて
6つの短編から構成されたこの作品。2作目以外は母と娘の関係を描いた物語が展開していきます。2015年頃に流行ったという『毒親』という言葉。この本では、そうならないための啓示というより、結局のところ全ては考え方次第、一度思い込んでしまうと抜け出せなくなる思い込みの怖さと、そこから生まれるミス・コミュニケーションの連鎖といったところが短いストーリーの中に上手く描かれていたように思いました。ウググ…というイヤミスを呼び起こす6つの短編たち。イヤミスをサクッと読ませるとても湊かなえさんらしい短編集だと思いました。
2021/12/14
ミカママ
これは良かった。これで湊さんは7:3くらいに勝率戻したかな(上から)。友だち同士、姉と妹、そして母と娘。誰もがみなボーダーラインを歩いてる。ちょっとしたボタンの掛け違えで、とんでもなく拗れてしまう。かように女は難しい、のである。
2018/09/02
カメ吉
湊作品らしくイヤミスなモヤモヤとドロドロとした読後感。 女性同士の親子の内側が複雑で理解し辛いのも多かった。ホーリーマザーじゃなくポイズンマザーって内容に感じるし。短編集で色んな話があったけどテーマは共通。 最後の章は色んな謎が繋がり上手くまとまっていた。 読後感の悪さは湊作品らしいって事でOKだったんでは。
2018/09/23
三代目 びあだいまおう
イヤミスの女王の短編6編。善意が曲解され嫌悪や恨みに繋がる、正義感はいつしか相手を雁字搦めにして行き場を失くさせる!人の心のベクトルは、その多くが意図しない方向に向くという不運を我々は経験済みだ。自分を振り返り身につまされる既視感を覚える。親は子の将来を案じ、子は自身の今を案ず!親は自身の経験で語るが、子はその経験を蓄積していない。相手を想う愛が相手を追い込む刃となりうることに気付かない。母と娘、同性ゆえに時に親子、時に親友、時にライバル。思いやる心の行く末が、湊ワールドで妖しく語られる不穏に戦け‼️🙇
2019/09/23
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