キッド・ピストルズの慢心: パンク=マザーグースの事件簿 (光文社文庫 や 26-7 パンク=マザーグースの事件簿)
キッド・ピストルズの慢心: パンク=マザーグースの事件簿 (光文社文庫 や 26-7 パンク=マザーグースの事件簿)
- 作家
- 出版社
- 光文社
- 発売日
- 2019-01-10
- ISBN
- 9784334777609
キッド・ピストルズの慢心: パンク=マザーグースの事件簿 (光文社文庫 や 26-7 パンク=マザーグースの事件簿) / 感想・レビュー
オーウェン
シリーズ4作目は5作の中編集。 内冒頭とラストはキッド・ピストルズとピンクの前歴が語られる。 「靴の中の死体」古典的なミステリであり、雪の中に置かれている足跡によって作られた密室。 「さらわれた幽霊」20年前に誘拐され殺された息子。 それが再び息子を誘拐したという電話が。 「執事の血」 有能な執事の取材にという名目なのに、現れては礼儀を知らない執事。 そして記者の失神によって暴かれる陰謀。 ラストのゾワッとさせる展開が恐ろしい。
2023/06/29
geshi
『キッド・ピストルズの慢心』キッドがなぜ謎解きをするのかのイントロダクション以上にはなっていない。『靴の中の老婆』トリックから犯人への一直線で普通のミステリすぎる。誤魔化しの装飾は成程。『さらわれた幽霊』幽霊がさらわれるというアイデアもプロットも良いんだけど演出がオーソドックス。『執事の血』膝カックンな茶番に一度着地してからラストで一捻りする展開は好み。『ピンク・ベラドンナの改心』SMペダントリーそのものが面白く、その精神性が謎解きと密接に絡んできて一番出来のいい作品。
2019/03/15
ポップ
シリーズ4作目。キッドとピンクが首都警察入りするきっかけとなった事件に生い立ちを交え、自ら語り出す。貧乏な労働者階級の子供にパンク精神が発芽した最初の謎解き「キッド・ピストルズの慢心」はキッドの歪な反骨心の糧となる。ピンクが自由奔放な生き方に見切りをつけた「ピンク・ベラドンナの改心」にフェチの沼を見た。本作で1番のお気に入りは「執事の血」。≪最後の偉大な執事≫の館を尋ねた一行は不自然にもてなされ、伯爵と晩餐の合間にかわされた執事論に違和感を抱く。ワインに負けず劣らずイギリス人の血にも深みはあるのだろうか。
2021/06/26
コチ吉
「靴の中」トリックは途中で分かったが、最後まで細かい芸が光る。「さらわれた」マザーグースの歌が大きなヒントになっているが上手く目眩ましされている。「執事」早い段階で仕掛けには気付いたが、ラストの不穏さが堪らない。そして最初と最後にキッド達の思い出の事件を配して価値ある一作。
2019/06/09
花嵐
★★★☆☆ キッド・ピストルズシリーズ短編集。今作ではキッドとピンクの生い立ちについてもそれぞれの口上で語られている。謎解き要素はミステリなので勿論あるのだが全体的に濃くはなく、キッドとピンクというキャラクターの魅力の幅をひろげるという要素の方が強い感じはした。特にキッド最初の事件と銘打たれた、表題作でもある「キッド・ピストルズの慢心」を読めばキッドを更に好きになるだろうと思う。何だかんだいってキッドは正義感が強いいい奴だよねぇ。
2021/09/28
感想・レビューをもっと見る