東京すみっこごはん レシピノートは永遠に (光文社文庫 な 41-5)
東京すみっこごはん レシピノートは永遠に (光文社文庫 な 41-5) / 感想・レビュー
鉄之助
副題『レシピノートは永遠に』通りだった。シリーズ第5巻で完結編にふさわしい内容。メインキャラクターそれぞれの旅立ちがあって、最後は ほっこり心が温まる。いつもながら、料理のレシピが凝っていて参考になった。豆腐が命のマーボーは、70度のお湯でじっくり豆腐を温めると旨味が逃げない、という。少量の塩で型崩れも防げる。焦ってやると人生と同じで、しくじる…などなど、味わい深い料理が”共同台所”から生み出されていた。金柑入りのカレーもぜひ、試してみたい。
2021/02/17
しんごろ
涙が止まらない。“太陽にほえろ”に例えるなら、七曲署の刑事がひとりまたひとりと殉職していくように、すみっこごはんメンバーが、ひとり去りまたひとり去っていく。こんなことがあるのか。楓の気持ちが痛いほどわかる。寂しいし悲しい。今はどん底かもしれない。でも、この辛さを乗り越えれば、レシピノートがある限り、きっと新しい未来が見えてくるさ。そして、見てみたい。楓が新たな一歩を踏みだした時、そこには新生すみっこごはんがあることを…。新生すみっこごはんを通して、新たな出会いがあることを…。すみっこごはん、永遠なれ!
2020/11/20
しんたろー
シリーズ最終巻。レギュラー陣が次々に去ってゆく寂しさ、4巻で宿題になっていた「彼」との嬉しい再会などラストに相応しい展開に泣いたりホッとしたり…特に楓の祖父が語る独白は、娘を持つ身にとっては「反則ー!」と叫ぶほど泣かされた。全巻の詳細を覚えていないのが情けないが、楓の成長物語として素敵な物語だった。涎が出そうな料理の数々も印象的で(本巻は「おいなりさん」がツボ!)、食と人情を絡めた名シリーズだったと断言できる。出来れば数年後の楓たちをいつの日か描いてくれることを熱望!まずはネットで読めるオマケを楽しもう♬
2020/12/15
seacalf
大好きなシリーズも最終巻。おじいちゃんの独白がもうたまらない。人生には必ず別離が伴うもので、楓主観に読むので苦しい場面が続くが、悲しみに正面から向き合って書かれているので潔く感じる。かつ丼に麻婆豆腐にカレー、いなり寿司。今回も特別な料理は登場しない。だけど、どんなご馳走よりも食べてみたくなるものばかり。とりわけ柿本さんのいなり寿司を頬張ってみたいな。どんな擦れっ枯らしな人でも無敵の隠し味の前には心がほどけるに違いない。電車の中で目を潤ませ、一人になってからは思うがままに涙を溢した。また始めから読み直そう。
2020/11/28
hitomi.s
楽しみました。待っていました。シリーズ5冊目。同じ時間や空間を共有して、大事に思い合ってた人たちとは、時間が経って前みたいに定期的に会ったり連絡したりしなくなった。別れ別れは、やっぱり、さみしい。楽しかった分、大切だった分、余計にだ。離れていても全然連絡取り合わなくても本を読んだりして思い出す瞬間がある。そんな時、思うわ。形は変われども、今も大切な人たちだなーって。出会えて良かった。んー会いたいな。
2020/11/19
感想・レビューをもっと見る