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国家民営化論: ラディカルな自由社会を構想する (知恵の森文庫 a か 2-1)

国家民営化論: ラディカルな自由社会を構想する (知恵の森文庫 a か 2-1)

国家民営化論: ラディカルな自由社会を構想する (知恵の森文庫 a か 2-1)

作家
笠井潔
出版社
光文社
発売日
2000-12-01
ISBN
9784334780593
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国家民営化論: ラディカルな自由社会を構想する (知恵の森文庫 a か 2-1) / 感想・レビュー

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nobody

社会科学系トンデモ本である。理系でないからと学会からも摘発されない。資本主義の元での無政府主義が可能というのは濡れずに泳げるというのと同じだ。アナルコ・キャピタリズムとは何やらアナーキズムを現代的に展開したモダンなものだと騙されてはいけない。そもそも資本主義と古代中国・中世アラビア等の違いすら判っていない。ドイツの本は読んでると言いながらウェーバーの理論を全く理解しておらず、ウェーバー研究の第一人者(大塚久雄)が何十年かけてやっと掴んだ結晶を一蹴する。脳死と植物状態と心臓死の違いも判らず臓器移植を論じる。

2018/02/26

猫丸

2000年刊行当時読んだものを再読。議論の叩き台としてはアリではないか。小さな政府の極限形態は国家消滅であり、これは論理的帰結。民営化できる領域は民営化するのが良い、とは理念的には同意する。ただ、行き着く先は資本主義経済システムに則ったゲームの世界であり、この場合協力ゲームが展開されることになろうが、プレイヤー全員が完全情報を得てかつ合理的判断可能な主体でないといけない。ここに無理がある。経済を超越した調停機構の必要があろう。それが国家の形態をとることは必然ではない。AIの利用も一手か。

2018/08/02

左手爆弾

多分、読む時期を間違えたのだろう。既に終わった議論を一生懸命しているという印象を拭えなかった。日本においては、リーマンショックと原発以降、リバタリアン系の議論は勢いを失うか、部分修正を余儀なくされたところが大きい。市場化を進めたことの現実的な帰結が新たな問題を明らかにしたということ。本書はそれ以前に書かれているので、そうした現実には対応していない。筆者が頭の中で考えたことが、従来の「論理」との対決においてのみ書かれている。市場化の現実を知る今日の我々にとってはどうしても楽観的に見える。これが現実的な限界。

2016/08/06

冬至楼均

どこか違和感を感じながらも、初読のときは問題点を指摘出来なかった。要するに自助の最大化と公助の排除、なのだけどその間の共助がすっぽり抜け落ちている。

2014/09/29

メイキー

国家なき資本主義社会=アナルコ・キャピタリズムについての著書。ちょうどタイムリーなことに、國分氏が哲子の部屋という番組でボードリヤールについて語っていたが、非常に類似するものがあるのではないかと個人的に感じる。筋としてはマルクス=レーニン主義批判からの革命理論と言った感じか。ややジェンダー・家族論については気になる点があったが、踏みこんでる領域がサンデルと似てるのでこれ読んでからサンデル読むとサンデルが霞む気がする(笑)。あと、終章は完全に蛇足だと思う。

2012/08/30

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