沖縄的人生: 南の島から日本を見る (知恵の森文庫 a て 3-1)
沖縄的人生: 南の島から日本を見る (知恵の森文庫 a て 3-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
何人かの著者が、それぞれの角度から沖縄を語る。ウチナンチュよりもヤマトンチュ(沖縄への移住者も含めると)の方が多いようだ。巻頭を飾るのは上野千鶴子氏。いたってわかりやすい社会学的考察である。彼女は沖縄への入り口には「表玄関と裏口」の2つがあるとする。パックツアーでオキナワに行き、ヤマト資本のホテルに泊まり、帰りの空港でお土産を買うーこれが表口。これだと、お金はすべてヤマト資本に還流し、観光に行った人は基地にもヒメユリにも一切関わることなく帰ってくることになる。裏口からはディープなオキナワが待っている。
2022/01/06
翔亀
【沖縄44】沖縄らしい書き手「シマサバはいて」【沖縄36】の宮里千里を目当てに読んだ。「南島へのナビゲーター」と題する、柳田国男-折口信夫-島尾敏雄-岡本太郎-吉本隆明-竹中労といった沖縄論の解説は、良い導きになるが、宮里らしいわくわく感に欠ける。それは本書全体のテーマのせいかもしれない。沖縄の現実を見据えたかなり生真面目な論考が並ぶのだ。島の歌謡、島の健康野菜はそれぞれ情報として有用だが、続けて基地の売春やアメ女(アメリカ人としか付き合わない女)や基地雇用者の実態レポートが続く。冒頭の上野千鶴子の論考↓
2021/12/28
kawa
女性学の泰斗・上野千鶴子氏から市井の名も無きその道のプロまで、まさにチャンプルー・沖縄論。無名の人々の話しの様々が学研畑のそれより面白いのが面白い。エイサーって、アウトローでその辺に彷徨っている霊を慰めるのが本来の行事の趣旨。それが観光行事になって昔のおじいィやおばあァは嘆いているそうな。(那覇・ちはや書房で購入・2001年刊)
2024/03/14
いたる
「沖縄的なもの」はほんとうに存在するのか?という議論を先日拝聴したので、手に取ってみた本。 4章までは平凡でつまらないが、5章は2000年前後の沖縄の人々のリアルが描かれていて重みがあった。 傾向の強弱だけで語れない「沖縄的なもの」はあるとおもう。
2021/04/08
April
沖縄旅行に行った際、沖縄の古本屋で見つけた。さまざまな人が、沖縄の外からまたは内から見た独自の沖縄論を展開していて、興味深く読んだ。
2016/03/15
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