西蔵回廊: カイラス巡礼 (知恵の森文庫 c ゆ 1-1)
西蔵回廊: カイラス巡礼 (知恵の森文庫 c ゆ 1-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
夢枕獏氏がこんな冒険旅行家だとは知らなかった。彼は釣りも好きなようだし、さしずめ開高健の後継者といったところか。同行者は辺境の写真師、佐藤秀明氏。カトマンドゥからかつて川口慧海も辿った西蔵回廊を経て聖地カイラスの麓へ。帰路はチャンタン高原を経てラサへ。常時5000m近い標高を高山病に苦しみながらの旅である。元々が小説を書くための旅だったようであり、この地の凄みと清浄感は伝わるが、紀行文としては並。写真も得難いものだとは思うが、私には今一つ突き抜けたものが感じられなかった。こんな旅はしたくてもできないが。
2017/05/19
へくとぱすかる
世界のあらゆる地域の中でも、興味津々な土地。いろんな旅行記が、その魅力を教えてくれるが、本書で目立つのは、何と言っても高山病についての話。4000m程度で高山病になるのなら、人間とは、何と環境の変化に弱い生き物なのかと、自然への憧れよりも、恐怖が先立つ。実際、エベレストで遭難した登山家についての記述を読むと、思ったより多い。人間はおごってはいけない。謙虚になろう。
2016/05/31
OHモリ
・西蔵ってどこ?それはチベット、中国の自治区。 ・このエリアの探検といえば、椎名誠さんの著者を通して知った、川口慧海、スウェン・ヘディンは知っていたし本も読んだが、シャーロックホームズまで同じ時期に訪れていたとは知らなかった。 ・その3人がチベットを舞台に活躍する小説を書こうとインスピレーションを持った獏さんが、取材を兼ねて宿命のように訪れた逆境の地の苦痛に耐えながら書いたリアルな日記的紀行文と佐藤氏の写真で構成された本。 ・カイラス、五体投地・・・写真は凄い。目と心と脳に刺激を受けた。
2021/12/07
フクミミ
1994年に発行された本だ。今はもうちょっとした街などは開発が進んでいる事だろう。 せめて巡礼の道だけは変わらないで欲しいと願う。
2016/03/07
お静
チベットの厳しさや美しさがリアルに伝わってきた。チベット仏教寺院も観光第一になってしまいこの先が不安だという僧侶の話は頷ける気がした。
2017/05/04
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