赤瀬川原平の名画読本: 鑑賞のポイントはどこか (知恵の森文庫 a あ 8-1)
赤瀬川原平の名画読本: 鑑賞のポイントはどこか (知恵の森文庫 a あ 8-1) / 感想・レビュー
はまだ
この著者はヒエロニムス・ボスをほめている。わたしは実はよくわからない。まず、名前が覚えづらい。絵もわかりにくい。ルノアール(の一部の絵)があまり好きではないようである。名前は覚えやすい。喫茶店があるからだ。やや高いが、落ち着きたいときは是非!で、絵や絵を見ることは、言語化などできないことは承知の上で、でもできる限りていねいに、絵を見る方法のヒントを提示してくれる感じ。文章もいい。「ゴッホの一存で塗り込められている」、ユトリロについて、彼ではなく、「彼の絵が(パリの街の)侘び寂びを見つけたのだ」とか。⭐︎5
2017/09/04
ホークス
元本は1992年刊。何度読んでも面白い。赤瀬川氏が鑑賞を語る。「この色が美味しい」「絵具の伸びが美味しい」などと言う。実際に感じる美味しさが大切であり、理論は二の次。フェルメールの絵は気持ちいい、それでOK。視界にある「精密とボケ」を表現できている、などの謎解きは後回し。読者は「確かに!」「そうかな?」と大らかに楽しめば良い。「説明と表現との幅のところが絵の面白さ」「遮るもののない現代美術の自由より、印象派の画家の自由の方が輝いて見える」等の言葉が心に残った。私に鑑賞の楽しみを与えてくれた名著。
2023/11/13
巨峰
絵の写真入りで面白い。まあ、詳しくないのですが、何が好きなのが自分に問いかけながら絵をみることにします。
2015/06/08
瀧ながれ
絵画展行っても、あんまり考えずに好きな絵ばかり見てしまうので、こういう風に好きなところや苦手な理由を言葉で説明できるのが、すごいし理想的だし説得されてしまう。ルノワールの絵が好きで同時に苦手な理由が、ここで納得できました。一枚ごとじゃなく、画家の年代順に見ていく必要もあるんだな。そんで、教科書に載るような「名画」でも、自分の目と感性で違和感を覚えたら、そう言っていいんだなと思いました。絵画を言葉で説明されて理解する、言葉によって自由になる、という体験ができる本でした。
2020/07/01
mayumi225
著者の好きな言葉を借りれば,この本は気持ちいい!この人が,自由に見て自由に書いている。それでいて,結構気付かされるんですね。【以下引用】モネ「かつてあった空気のたしかさみたいなものが,意味もなく悩ましい。」マネ「この四つ足で踏ん張って立っている可愛い黒猫から,黒い色が発生している。」ゴッホ「現実を前にしてこそ,それを写し描く中での自由が輝いてくる。」ダ・ヴィンチ「レオナルドの絵は金属的なところが好きだ。」コロー「食べると美味しそうだ。」ルノワール「南洋の熱帯魚の刺身でも食べているみたいだ。」・・・楽しい。
2017/09/25
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