心の闇に魔物は棲むか: 異常犯罪の解剖学 (知恵の森文庫 t か 4-1)
心の闇に魔物は棲むか: 異常犯罪の解剖学 (知恵の森文庫 t か 4-1) / 感想・レビュー
ユズル
引用が多すぎな気がしますが、それだけ、いろんな症例の人が起こす事件も多いということで。何よりも気になったのは、事件を起こした人たちのその後。そういうことは他で知れということなんですね。
2018/01/14
澤水月
親本96年、平山夢明幻のデビュー長編「SINKER」で参考文献筆頭に挙げられていたのに未読だったので。冒頭、小田晋や布施英利の胡散臭さ頓珍漢さを実名で批判、ヒヤヒヤ。様々な報道記事から説を明快に組み立て、突飛な連想せず安定感ある文はこの頃から同じ。金属バット事件に当時母子相姦説なんて下卑た噂があったり血液型で被害加害家族を診断したりの狂騒は知らなかった。また著者は産婦人科→精神科医(あの松沢病院でも高い地位に!)転向組なので名古屋妊婦腹裂き電話詰め事件には並々ならぬ関心(名古屋にいたら疑われてたともw(続
2014/08/27
青葉麒麟
読解が難しい所もあったり、判りやすい所もあったりで良い勉強になったと思う。人って本当に理解不能な事が怖くて何かしらの理由を見付けないと落ち着かないんだなぁ。狂人が狂った事をやるのは、誰でも理解出来るけど、世間一般からみての常識人が猟奇的な事件を起こすのはやっぱり不気味で怖いよ。しかし犯人が何らかの障害を持ってると判った途端、急に報道を止めるマスコミは如何なもんかね?
2014/02/04
小鈴
春日先生、出版ラッシュだな。これは単行本を文庫化したわけだが、裁判院制度の実施目前にこの手の本が出版されてるわけだが、その一冊と言える。その中でも、多くの人に読まれて欲しい一冊。私達=世間が猟奇殺人に対して、自分の不安をおさめるために解釈をもとめがちだが、下手な解釈は実際の犯罪の状況からますます遠のいていくものだ。
2009/04/22
自由浮遊社
なかなか面白い、というか読みやすかった。この本を手にする人は、かなりの割合で、異常犯罪の事例が取り上げられて、それに著者(精神科医)がどのような精神分析を行うのか?を期待するのではないかと思うが、これはそういう本ではない。一応異常犯罪はいくつか取り上げられるのだが、著者はそれに対する安易な精神分析に異を唱えるのである。その上で控えめな分析を行うことは行うのだが、やはりメインは「異を唱える」ほうで、事件の上っ面だけ見た安易な分析や、騒ぎ立てるマスコミを斬るところが読みどころであろう。
2021/03/18
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