空海と最澄はどっちが偉いのか? 日本仏教史 七つの謎を解く (知恵の森文庫)
空海と最澄はどっちが偉いのか? 日本仏教史 七つの謎を解く (知恵の森文庫) / 感想・レビュー
ビイーン
講座を元に書かれた本。仏教にまつわるネタを分かりやすく解説していて読んでみたら意外と面白い。日本ではキリスト教徒の割合が人口の1%未満しかなく、先進国の中でも稀有な国なのだそう。どうやら日本は一神教が根付かない国のようだ。普段は「困ったときの神頼み」で熱心に仏教徒を意識した事がなかった私だが、本書をきっかけに仏教への関心が深まる。
2019/09/06
KAKAPO
「空海が唐から戻った後、空海より年上で、超エリートであるはずの最澄が、空海に密教についての教えを乞い、立場が入れ替わっています。最澄が開いた天台宗では、密教に関しては遅れをとったため、最澄の後に続く弟子、円仁などは唐に渡って十年かけて密教を学び、密教についても空海に匹敵するようなものを持ち帰りました。」私が読んだ本によると、空海は、事前に身につけた教養によって運を味方につけ、時には強引とも言える方法で影響力を得た人で、最澄は、謙虚で真摯であるがために、求心力という点では後塵を浴びてしまったという印象です。
2018/11/24
キリン
なかなか興味深い内容。新興宗教とかのことも多少わかりました。書かれている事、全てが真実かはちょっと疑問ですが。
2017/08/09
うえ
元のタイトルは「日本仏教史裏のウラ」とか。本筋とは関係なく興味深いのはシンガポールの例。元々仏教と道教が国民の75%の信仰を得ていたが、現在は5割まで下がり、代わりにキリスト教が2割まで上昇。韓国でもキリスト教が4割に上昇し、中国でも1割に上昇したらしい。キリスト教もイスラム教も少ないのは、日本とカンボジアとラオスだけだそうだ。インドでは完全に仏教がすたれていたが、最近ヒンズーから仏教に改宗するケースがあり、日本人僧侶が改宗のために活躍しているという。
2019/05/18
烏山ちとせ
さらっと勉強しようと思って借り、確かに勉強になった。タイトルを超えた中味で日本での仏教の歴史を伝来元から生前退位問題まで、第三者目線で解説。登場人物は30名に満たないくらいなので、私程度の知識量だと、読み込めば生涯の宝になり得る。明治の廃仏毀釈、仏教の変容など初めて知ることも多かった。政治と結びつく時の諸派に冷静に疑問を抱きながら、新しい宗教まで「現代の仏教の新しい流れかもしれない」と見続ける視力は頼りになる。
2019/03/06
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