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光まで5分 (光文社文庫)

光まで5分 (光文社文庫)

光まで5分 (光文社文庫)

作家
桜木紫乃
出版社
光文社
発売日
2021-12-14
ISBN
9784334792787
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光まで5分 (光文社文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

台北行き機中にて。あぁこれは那覇行き機中で読むべき作品だった。舞台は沖縄だが、紛れもなく桜木作品。じっとりとした寒気がじっとりとした熱気に変わっただけの。北海道東部での暮らしが嫌で、那覇の国際通りの隅っこの売春宿に暮らすツキヨ。保険証はおろか住民票もない彼女が流れに流れて行き着く先は。帰りの機中でも(読む物もなかったし)二巡してみたが、相変わらず「5分」の謎は解けぬまま。ヌメヌメとして息苦しさに纏わりつかれながらの読了となった。好き嫌いはパッキリ二分するだろうこの作品、わたしは…もちろん好きだ(笑)

2024/06/30

しんごろ

北海道から逃げるように沖縄に流れてきたツキヨ。沖縄の青い空、青い海、白い砂浜の綺麗な景色に癒やされて、どん底から再生する素敵な物語でした。ってならないのが桜木紫乃作品。再生どころか、どこまでも流されてるではないかい。ツキヨは、人の意見を聞く耳があったのと素直さがあったから、まだ救われるかもしれないね。他の登場人物も過去や悩みを持ってて、なんともやるせない。南原は最低なのは間違いないけどね。ツキヨ、過去は決して忘れることはできない。自分と向き合って、早く居場所も見つかってほしいと思う。

2022/01/11

さてさて

この作品では『光』を求めて彷徨い続けるツキヨの人生が描かれていました。『答え』のない人生を、それでも生きる他ないツキヨ。しかし、それはツキヨも私達も同じことだと思います。私達の誰もが『答え』を見つけられない人生を生きています。その人生の中で何を幸せと感じるのか、何を生きがいと感じるのか、そして何に『光』を感じるのかは人それぞれです。「光まで5分」というこの作品、それは短いようで長い人生の中に、人生の『答え』を見つけ出そうとする人間がもがき苦しむ様を感じさせるもの、そんな風に感じた桜木さんらしい作品でした。

2022/04/13

ふじさん

北海道の東の街から流れて沖縄に来たツキヨは、那覇の路地裏にある「竜宮城」で売春をして暮らしていた。奥歯の痛みがきっかけで知り合った訳ありの元歯科医の万次郎、その同居人のヒロキと意気投合し、タトゥーハウス「暗い日曜日」で一緒に暮らすことになる。三人の生活を続けて行くうちに、今まで抑えていた感情が表れ、自分の心の葛藤を自覚するようになる。一人の女の心の旅路と関わった男たちの姿が物悲しい。ツキヨはこれからどこを目指して生きて行くのか。彼女には、現状を受け入れ、流れに身を任す生き方が合っているのかも知れない。

2022/10/04

machi☺︎︎゛

桜木紫乃さんと言えば北海道というイメージだったので今回の舞台が沖縄と分かりどんな感じだろうとワクワク。だけどやっぱり中味は桜木紫乃さんらしくタイトル通りというのか光まで5分のところにずっといるような息苦しい時間。北海道から流れ流され沖縄まで辿り着いたツキヨは次は何処へ流されていくのか。流れに逆らわずに流されるのは気持ちがいいがそれだけじゃ楽しくない。ツキヨの人生はまだまだ続くのだから。

2023/12/13

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