超常気象 異形コレクションLⅣ (光文社文庫 い 31-44)
超常気象 異形コレクションLⅣ (光文社文庫 い 31-44) / 感想・レビュー
H!deking
異形コレクション、今回のテーマは超常気象。今回も癖のある作家さんが集まってますね。毎度のことながら皆さんそれぞれの世界観で楽しませてもらってます。それにしても平山夢さんの話が忘れられない。空から首が降ってくるといった内容の話ですが、ウクライナ情勢のメタファーなのかな。めちゃくちゃなようでいて、理不尽に破壊される日常が描かれていますね。今回も面白かった!
2023/02/12
KAZOO
このシリーズ最新刊です。今回は気象に関係するものということでかなりイメージ的には奇抜なものが多かったように感じました。雨の代わりに人間の手足などが落ちてくる話、また「件」が予報する気象の状況、その人物だけに雨が降る現象などなど楽しめました。とくに私は田中啓文さんの「地獄の長い午後」というのが大好きです。米朝の落語を思い出させる地獄めぐりでそこにラブクラフトの世界が侵入してきて、お釈迦さまや阿弥陀如来も登場してということでかなり奇妙な話でした。
2023/01/26
sin
大島/無自覚に地蔵の霊験あらたか…篠/共感に囚われのマゾヒスト…宮澤/根拠なき自信が怪を絶つ…柴田/殺すは業か、食すはどうか…澤村/自己嫌悪の怪異が迫り来る…斜線堂/私はこう思うはけっして押し付けではないのに…坂入/罰雷・願い雨骨・祟るより自己中な…空木/冥界の悪あがき…上田/説明しすぎ…田中/釈迦VS邪神 地獄大戦!黒木/古きを新しきモンスターの創造!井上/昭和逝き平成は過ぎて戦争の記憶薄れた現代に軍靴の谺を…朝松/祟りのち人の獣が仕上げする。平山/努力という無力、希望という絶望。加門/しっくりこない。
2023/02/02
Shun
<異形コレクション>復活後の第6作目。今回の収録作品は異常気象ならぬ”超常気象”というテーマで書かれたホラーやSFが読めます。現実の世界に目を向けてみると昨今は日本列島は勿論、全世界で異常な気温を記録したり自然災害の発生が増加傾向にあり深刻な問題となっている。これらの問題と結びつくのは脱炭素といったテーマですが、こと本作に至ってはそんな安直な話には当然ならない。豪雨ならぬ業雨や首雨といったとんでもないモノが降る話や、祟りにも似た落雷、触れるとヤバいであろう赤い霧といった怖ろしく幻想的な光景が広がっている。
2023/01/02
鷺@みんさー
今回のテーマは、幻想怪奇よりもこのご時世、妙にリアリティを感じてしまって…でも、怖いと言うよりなんだか、悲しさを感じさせる作品が多かった。恐怖より憂いを皆感じているのだろうか。空木春宵「堕天使すくい」が好き。中二っぽさというか地雷系ぷんぷんなんだけど、そこがいい。宮澤伊織「件の天気予報」は、らしさが溢れていてよき。都市伝説とガジェットの対決、会話の妙も"らしい"。田中啓文「地獄の長い午後」は、我らがヤスミンも並行宇宙でゲラゲラ沼ってることでしょう。あーヤスミン魂はこうやって受け継がれてくのねぇと。
2024/11/12
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