マーキュリーの靴 鮎川哲也「三番館」全集 第2巻 (光文社文庫 あ 2-71)
マーキュリーの靴 鮎川哲也「三番館」全集 第2巻 (光文社文庫 あ 2-71) / 感想・レビュー
KAZOO
鮎川哲也氏の「三番館」シリーズの新編集第2作目です。以前に読んだときにはかなり入れ込んで読んだのですが、やはり時代が変わっていたのとこのような主人公やバーテンダーに魅力が薄れてきたということなのでしょう。さまざまな謎も今では若干古臭い感じもします。ただやはり以前にかなり面白かったこともありあと2冊も読んでみようと思っています。
2024/08/03
Urmnaf
バー「三番館」のバーテンによる名推理、新たな全集の2巻目。訳あって、3巻先に読んじゃいましたが。各社が次々新たな全集を企画するこのシリーズ。もう何周目?でも読んじゃうw 今回も太っちょ弁護士の依頼で私立探偵が調査に駆けずり回り、行き詰まって数寄屋橋の達磨のようなバーテンの力を借りるという、いつものパターン(でもないのもちらほらあるが)。今となってはそれ無理〜ってトリックもあるが、それも含めて色々と。密室あり、人体消失あり、ダイイングメッセージあり。古き良き稚気に富んでいた時代のミステリ。
2024/02/17
コチ吉
バラエティに富む掌編が並ぶ。タイトルが目隠しの役割をする「百足」、タイトルをもう一段捻ってみせる「相似の部屋」、雪の上の足跡の新たなバージョンである「マーキュリーの靴」、タイトルが意味深な密室物の佳作「タウン・ドレスは赤い色」。次の第三巻も楽しみ。
2023/05/16
Inzaghico (Etsuko Oshita)
今回も肩を凝らず楽しめた。この私立探偵が、推理に行き詰まるとバイオレットフィズをがぶ飲みするのだが、そんなに強くないのね、バイオレットフィズって。今度どこかのバーで試しに飲んてみよう。嘘か真か知らないが、東京都の浄水処理場事情からトリックが割れる「相似の部屋」は面白かった。水道水のうまさからトリックが判明する、というのはよく考えたものだ。杉並の水道水はうまいが、北区はカルキ臭い、というのは当時そうだったんだろうか。朝霞(埼玉)の水もカルキ臭いと言われて、とんだとばっちり(笑)。
2023/04/16
しゅー
★★う〜ん。トリックについて色々と工夫をこらしているのは分かるけど、時代を感じさせる細部の演出が鑑賞の妨げになってしまう。古い作品でも違和感なく読める作品は多いので、要は「ユーモア」の取り扱いの問題なのかな。何に笑うかは意外に時代の空気を反映するのだろう。「お涙頂戴」はいつの時代も一緒、令和の世でも「昭和か!」とツッコミたくなるほど十年一日なネタがそろうのだけど。
2023/05/01
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