竈稲荷の猫 (光文社文庫 さ 18-108)
竈稲荷の猫 (光文社文庫 さ 18-108) / 感想・レビュー
しんごろ
三味線職人の話。兄弟子の伊那造と小夏の親子の元で、弟弟子の善次郎が、弟子の身分でありながら異国の材質で、一張の三味線を作り上げていく。善次郎が弟子であることに引け目を感じたり、作り上げるまでの様々な困難を乗り越えていく。小夏は善次郎の年下でありながら、姉さん女房のよう。善次郎はもちろん父の伊那造まで、しっかり面倒をみて男共もタジタジ。 新たな事に挑むということは、時にはしきたりに囚われず、思い切った判断が必要な事の大事さを知った。伊那造も格好よいし、善次郎も夢を追いかける姿も微笑ましかった。
2023/06/29
タイ子
竃河岸と呼ばれる所に三味線職人の父親と暮らす小夏という娘がいる。父親の弟子となる善次郎が新しい材料で三味線を初めて全部作る事になり材質、デザイン、諸々の事で葛藤しながら三味線を作り上げる。小夏は若干14歳なのに、まるで姉御肌。そんな娘いるのか?いや15や16歳でお嫁入りが珍しくない時代いて当然か。こまっしゃくれすぎる感もあるがここはご愛敬。三味線作りの話の中に稲荷神社に住む黒猫の話、善次郎の先輩の話も挿入して佐伯さんらしい作品。昔、三味線は猫の皮を張られていたのが現代ではキツイ。スッキリする一話完結作品。
2023/07/04
はにこ
佐伯作品と言えばやはり剣豪が思い浮かぶ。今回はやっとうが全くでてこない。三味線作りのヒヨッコ善次郎。伊那造と小夏に見守られながら花梨の三味線を仕上げる。小夏、15歳なんだけど話し方が何だか説教臭いんだよな。。居眠り磐音のおこんを彷彿させる。おこんは大人の女性だったから良かったんだけど、小夏はちと生意気かも。佐伯先生の剣豪以外の作品、まあまあ楽しめたかな。
2023/11/14
ひさか
2023年6月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。長編。三味線職人の娘小夏と父の弟弟子の善次郎の三味線作りひとすじのストレートなお話で猫も犬も登場するもののあまり話には関わりもなく、少し期待はずれな展開でした。残念。
2023/07/30
ぽっぽ
若き三味線職人と善次郎と親方の娘、小夏の成長譚とも青春物語とも読めますね。言い回しが独特なので合わない方もいらっしゃるかと思います。あっさりと読めました。
2023/12/13
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