MUD MEN 最終版 (光文社コミック叢書SIGNAL) (光文社コミック叢書“シグナル” 20)
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MUD MEN 最終版 (光文社コミック叢書SIGNAL) (光文社コミック叢書“シグナル” 20) / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
表題作「マッドメン」雑誌初出は1975年。40年経過した今も尚、異端の魅力溢れる連作作品集。パプアニューギニアの奥地・閉鎖的で独特の信仰・宗教体系持つガワン族の少年コドワ。人類学者の父に連れられ来日したコドワの全身には、子供の頃から少しずつ施された刺青が。眠剤で眠らせ、他部族の者には決して見せてはならぬ刺青を写真に収める父。ほぼ同い年の娘・浪子はコドワからガワン族の恐ろしき神【ン・バギ】について聞かされる。代々、コドワの家系に施される刺青。秘かに撮られたコドワの胸には、大きく彫られた奇怪な【ン・バギ】→続
2015/11/04
J7(読メ低浮上中)
不勉強ながら、最近まであの宮崎駿が、熱心な諸星フォロワーであることを知らなかった。そして、宮崎駿の描く作品に最も強く影響を与えた(と言われている)のがこの『マッドメン』だと聞いたので、最終版を読んでみた。パプアニューギニアの奥地で精霊を敬い、呪術的伝統を信仰するガワン族とその少年コドワ。彼らの聖地、ニューギニアの自然に押し寄せる、文明化とのせめぎ合いの中、繰り広げられる伝奇アドベンチャー大作。諸星作品をまだ全作読んだわけではないけど、今まで触れた中でも一番膨大なイマジネーションを含んだ物語。(→)
2016/09/15
阿部義彦
面白すぎるぞ!こんなに高度な、文化人類学てき考察に満ちた物語が、チャンピオンに載ったなんて、流石に訳のわからん秋田書店らしいです。神話、寓話、未開社会、血族、タブー、クレオール、ピジン、呪術、精霊、そして、コドワとナミコは腹違いの兄妹と言う事で、近親相姦まで、それぞれが読み切りの形を取っているが、緩やかに時を前後して繋がっている「ポーの一族」形式、見事です。模型の飛行機のアイディアが素晴らしいです。キリスト教が、偽善的に描かれて、地獄には無数の善意が積み重ねられてるんだなあ、とため息が漏れました。
2015/06/16
コリエル
孔子暗黒伝などの壮大な神話大系を物語るほうの諸星作品だった。精霊信仰の根付くニューギニアの奥地で、コドワとナミコは、かつての神話をなぞらえるように行動するかに見せかけて、その輪を破り、新しい神話を生み出していく。コドワたちの物語とは別に、地底に取り残され、異界のものを口にし、異界の海へと漕ぎ出したハヤトにも何らかの神話的な含意や元ネタがあるのだと思うが、そのへんは知識が無くてよくわからなかった。
2017/05/29
hibimoriSitaro
マッドメン6版目だそうで。主人公は MUD MEN でもコドワでもなくて「文明」を捨てていく波子になっちゃってます。SIGNALシリーズは2冊か3冊に分けて持ちやすくしてくんないかなあ。
2010/01/24
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