冷たい手
冷たい手 / 感想・レビュー
モルク
壮絶な過去を背負いながら生きる主人公朱里。その過去のトラウマにより対人関係も上手くいかないため仕事も恋も失敗だらけ。彼女のまわりで殺人事件が起こり、朱里は警察に疑われる。そしてそれは、過去の事件と繋がっていた。予想しないところから真犯人があらわれるが、少し強引な感じ。そして子どもは育てて初めて深い愛情が生まれると思うので(絶対ではないが)、そこまでする事件の真相は少し違うかなと思う。でも、ワクワクするイヤミス。何よりも意地悪店長のキャラがよかった。
2018/08/14
ゆみねこ
水生さん、初読み。20年前に誘拐監禁事件の被害者になった女性たち。彼女たちには何の落ち度もないはずなのに、普通に幸せを求めてはいけないのだろうか?朱里を犯人扱いするイヤらしい刑事にむかつき、真犯人の身勝手さに呆れる。
2015/06/17
巨峰
20年前のある事件の被害者だった2人の女性を見舞う災厄。被害者なのに怯えて生きるしかない彼女たちが可哀想で・・・脇の人までしっかりと描く女流作家の筆の力が濃密で、やや無理だろ.なところも含めて一気に読んでしまった感じです。魂のこもった、かなりな力作だと思います。
2016/08/24
itoko♪
初読みの作家さん。朱里と典子、2人に共通した忌まわしい誰にも知られたくない過去。その過去の亡霊につきまとわれ、そして事件が起こり・・。2人が抱えてきたものは本来なら抱えなくてもいいものだけに、胸が抉られるような痛みを感じた。事件の被害者、加害者、それぞれの家族に与えた事件の余波が起こした悲劇の物語だった。ラスト、温かい手の存在に 読み手の私も救われた思いがした。
2015/07/29
だんじろー
上手い。隠し方が絶妙。情報を小出しにしていく“さじ加減”が憎い。逆恨みと分かっているのに、誰かを憎まなければ生きていけない人が少なくないことも悲しい事実。怒りの矛先が向く方向によって、取り返しの付かない新たな悲劇が幕を開け、そして繰り返されることもしばしば。人間とは、なんと愚かな生き物なのだろう。つくづく痛感させられた銘作。
2015/11/23
感想・レビューをもっと見る