死屍累々の夜
死屍累々の夜 / 感想・レビュー
のり
大学助教授だった「木裏」は、暴力団組長の娘と結婚するが、殺害に到る…服役後、売春斡旋業を立ち上げ、東京に進出していく。老舗旅館を法すれすれで乗っ取り、更に経営者家族を次々と…巧妙なやり口で、木裏自身は手を汚さない。密告により警察も動きだし、追い詰められていく木裏達。たどり着いた結末は…この事件の30年後にジャーナリストが取材し、判明した事実にもビックリ。「哥」が、穏やかに生きた時間が少しでもあったなら良いのだが…
2018/07/14
巨峰
「北九州事件」「尼崎事件」といった一家皆殺し事件をベースにドキュメンタリータッチで描かれた問題作。とにかく人が死にまくるので、読中の読み心地は最悪。なにが気持ち悪いというとこの犯人はもはや殺人狂・殺人嗜好者ですらない。人を殺すということに、何の喜びを感じているとも思えない(だから自分では手をくださない)。何が目的かもよくわからない。それなのに最後の最後で作者が用意した大きな爆弾がさく裂して、読後感は悪くないという妙な作品です。まぁ、途中で気づく人も多いだろうけど僕はわからなかった。読む人は選ぶと思います。
2018/09/20
ゆみねこ
老舗旅館を乗っ取り、経営者一家を惨殺し、警察の追尾を逃れて6人の女とともに集団自殺した男。30年前に起こった「木裏事件」を追った一人のジャーナリスト。当時14歳だった一人の生き残りが語った真相。ドキュメンタリー風のストーリーで先が気になって一気に読了。尼崎事件を連想しました。
2019/03/07
ぷっくん
本当にあった事件?と思わせる所が面白かったけど、少し物足りない…どことなく『殺しあう家族』のような所もあるが、木裏にパンチが少ないような所かな(^^;;でも、結果には驚きました。生き残りにはワケがあるのですね〜‼︎
2016/06/19
きさらぎ
北九州監禁殺人事件を連想させる。被害者は何度も助けを求めるシグナルを出していた。誰かがあと一歩踏み出していれば…。でも実際にはどこで”危険”と判断するかが難しいのかも。判断を迷っているうちにずるずる泥沼にはまっていくのだろうか?監禁生活が長いと自分で考える力を失ってしまうというのがリアルで怖い。 前川作品は、読んでいて気分が悪くなる。なのになぜか次も読んでしまうという不思議…。しかし動機はよくわからなかった。
2015/06/24
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