地に巣くう
地に巣くう / 感想・レビュー
いつでも母さん
疲れた・・この二人の心理戦が堪らない。『生き方を見届けてやる』と云う清之介、裏を返せば、信次郎の思いとて同じはず。全く別の世界で暮らしているのに双子のような表裏一体、合わせ鏡のようだ。そこに伊佐治親分の人情が良い味を出す。嗚呼、やはり早く次を、早く完結作を読ませて欲しいと私の心が求めている。待てないのだ。気になって仕方がない。これは、あさの作家の思うつぼなのか。
2016/02/21
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
★★★シリーズ6作、まさかの新刊。前作までは前振り、キャラへの肉付け期間。いよいよそれぞれの個性と、設定を活かした物語が始まれば面白いが、残念ながらまだキャラの背景掘り起こしに拘る。時代物としても、ミステリとしても甘さが目立つ。好きなシリーズだけに実に惜しい。弥勒(シリーズ1作目)を再読しても、話しの奇に頼ったストーリーとなっていて、キャラや設定を活かし切れていない感は大きい。遠野屋に見せかけて「軸」は信次郎なのだが、その軸の個性の設定に共感し難いのが難。信次郎はもっともっと暗く執着してこそ…かなぁ
2015/12/11
えむ
シリーズ6作目。信次郎が襲われ刺されたが、傷は浅かった。しかし刺した男は殺された。「おもしろくなりそうだぜ」信次郎が底を見通せない事件に出会うと発する言葉だが、事件は信次郎の父右衛門の過去へと遡ることになり、信次郎は亡くなった父が荷抜けに関わっていたことを知る。そして、またもや刺客に襲われる。/このシリーズ④で、清之介が過去に決着をつけ終了かと思っていのだが、⑥まで来ました。何やらまだまだ清之介の中では決着がついていないみたい。ダークサイトに踏み込むのか不安な終わり方でした。2016-40
2016/06/06
Rin
【図書館】またひとつ、節目となる物語という感じ。彼らにとっても岐路となったのかな。過去とも向き合って、家族や自分とも向き合わなくちゃいけない。それを面白いと感じるか、苦しくて目を背けたくて、それでも真っ直ぐに向き合おうと己を奮い立たせるのかは人それぞれ。その葛藤や他者や己との関わりが興味深く読める。人が生活するなかで被っているもの。それが綻び裂けて、破れていく。その中に潜む本来の姿、それが恐ろしくも人の本性なのだと。遠野屋や信次郎が危うげながらも明らかにしていく真相と彼らの行き先が気になります。
2016/07/21
万葉語り
弥勒シリーズ6作目。20年前に亡くなった木暮様の父親がらみの事件。最初に木暮様が襲われ、自分が動けないからと遠野屋さんと伊佐治さんに事件を追わせると、更に人殺しだの火事だのが起こって、結局木暮様の思惑通りに事が運んだ気がする。箱根駅伝復路を見ながらの読了。東海大学初優勝おめでとう。2019-003
2019/01/03
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