楽譜と旅する男
楽譜と旅する男 / 感想・レビュー
KAZOO
最近出版されたばかりで文庫になるのを待とうかとも思ったのですが、内容が面白そうなので読んでみました。ロンドンから上海までのさまざまな俊での楽譜探しという点で普通のミステリーとは異なった若干ホラー的な要素もあります。ザルツブルグでの話は行ったことがあり昔を思い出しました。
2017/07/18
ダイ@2019.11.2~一時休止
「奇譚を売る店」の楽譜バージョン?。短編集。悲喜劇~が一番良かった。
2017/04/08
あじ
秘められた恋慕、魂の混濁、虐殺の旋律…。その後の人生を塞き止める、残響の縛りが私に由々しくて─。依頼を受けた謎の男が影のように動き出す。彼が探し求めるのは“楽譜”。そこに眠るのは解放のパスワード。異国情緒を漂わす作風は、芦辺拓のおはこ。幽径の密やかで奇しな成分が、小説の精度を高めている。(短編集)★3.2/5 「奇譚を売る店」もご一緒にどうぞ。
2018/03/09
藤月はな(灯れ松明の火)
「また、買ってしまった―」という一文で始まる連作短篇集『奇譚を売る店』の姉妹篇のような作品。「曾祖叔母オパールの物語」の遺産の事しか頭にない親戚達にムッとしつつも、叔母が長年、ひた隠してきた哀しみと恐怖に胸を打たれます。「三重十字の旗のもとに」は緑シャツ党の事を知らな方無知を恥じました。「西太后のためのオペラ」は中国人と日本人とのオペラの見方の違いに中国人の過酷な時代を幾たびも乗り越えた逞しさと悲哀を感じます。だけど、そういう中国人だったからこそ、あの意趣返しを兼ねた鎮魂をせずにはいられなかったのだろう。
2017/04/08
万葉語り
失われた楽譜を探す男が全編を貫く連作短編集6編。死者を呼び戻すために使われた音、西太后が生前自分のためだけに作らせたオペラ。曾祖叔母のかつての秘密の恋にまつわる音などを探し出すことで歴史の中に埋もれてしまった思い出を呼び戻す。音や香りは忘れていた何かを呼び覚ますきっかけになることがあるので、面白いというか怖いと思った。2017-94
2017/06/17
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