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DRY

DRY

DRY

作家
原田ひ香
出版社
光文社
発売日
2019-01-22
ISBN
9784334912604
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DRY / 感想・レビュー

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ウッディ

口うるさい祖母と男にだらしない母を嫌悪しながらも、一度は捨てたはずの二人の元に離婚して戻ってきた藍は、別れた夫から「乾いた女」と呼ばれていた。祖父の介護をし、孝行娘と評判の隣に住む幼馴染の美代子と共有する事になったおぞましい秘密とは?暗く、救いのない家族の物語がどの様に進んでいくのかわからず、読み進めるうちにタイトルの意味を知った時の破壊力は凄かった。この様な生き方しかできなかった美代子の藍への思いやりだけが救いの物語だった様な気がします。

2019/05/18

Yunemo

何だか報われずに生きる4人の女、祖母、母、藍、美代子の生き様の物語、として読みこなしていいんでしょうね。著者、こんな分野の、こんな作風、でも何だか落ち込まずに読み進められました。何故なんでしょう、と自身でも不思議さが残って。DRYという意味はとか、どこまで現実感がとか、この作風に浸りながら最後まで。下地となっている貧困、介護、年金に纏わる現実味。確かに実際にあった事件も思い出されて。女の生きる道はと、問いかけられますが、一方的に女だけじゃない、男との絡みが無いところにDRYという感情が活かされてるような。

2019/10/27

fwhd8325

原田ひ香さんの作品イメージががらりと変わります。しかし、この妙なリアリティは引きつけてくれました。面白いです。桐野さんの「OUT」を連想しますが、あれから四半世紀経過しています。こんなに時代背景も変わっているんだと感じます。小説は面白いですね。どこにでもありそうな設定が、ゾクゾクしました。

2019/07/13

おしゃべりメガネ

う〜ん、なかなかヘヴィなお話でした。不倫が原因で夫と二人の子供と別れるコトになった「藍」は不仲の母と祖母のもとへ。何かといざこざが絶えない生活の中、近所に住む幼なじみ「美代子」と久しぶりに再会し、少しずつココロを通わせていくようになります。しかし、「美代子」には決して人に知られてはならない秘密があり、ふとしたコトからその秘密を共有するコトになった「藍」はどうなっていくのか。女性だからこそなのか、腹の据わったブレない精神力にひたすら恐怖を感じます。ちょっとしたホラーなんて足元にも及ばないヘヴィな作品でした。

2019/03/10

ノンケ女医長

徹底的に「渇いた」人たちを描き切った快作。本当に、半端なく凄まじい。着想、展開、そして身近で同じようなことが起きているかもと思わせてくれる、社会へのメッセージ性。読みながらも、卒倒しそうになる無慈悲な行為さえ、顔色を変えずやれてしまうのは、長年に渡って介護を押しつけられてきたから。他の方法でも充分に楽しく生きて行けるだなんて、考える余裕がなく40代を迎えてしまった美代子さんの果てしない苦労と孤独を思うと、とても悲しい。一度渇いてしまうと、人はあっという間に壊れていく。

2024/10/06

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