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或るエジプト十字架の謎

或るエジプト十字架の謎

或るエジプト十字架の謎

作家
柄刀一
出版社
光文社
発売日
2019-05-23
ISBN
9784334912826
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或るエジプト十字架の謎 / 感想・レビュー

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🐾Yoko Omoto🐾

タイトルにクイーンの国名シリーズを模した探偵・南美希風シリーズは、帽子・白粉・木靴・十字架を事件のキーアイテムに据えた、直球のロジックが冴え渡る連作短編集。特に犯行動機よりも、何故その事件現場を作り出す必要があったのか、という点に重きを置いたwhyが実に見事で、あらゆる可能性を潰しながらの南の推理は圧巻だった。マイベストは、ローマ帽子の流れを組んだ秀逸なwhyと、周到な伏線からの真相に唸らされた「フランス白粉」。法医学者エリザベスとの掛け合いもいいアクセントになっていて楽しめる。とても面白かった。

2019/09/01

パトラッシュ

阿津川辰海氏の読書日記から。クイーンの国名シリーズにオマージュしたミステリは珍しくないが、題名に密接に重なる設定と推理まで工夫した例は珍しい。収録4編ともクイーン作品のローマ、フランス、オランダ、エジプトに関連する状況下で起きた殺人事件を扱い、それぞれ帽子に白粉、靴と十字架に繋がるトリックを解明するという遊び心満点のドラマとなっている。重箱の隅をつつけば埃は残っていても、野暮は言わず原作を思い出してひたすら楽しんでいればいい。そんな意味を理解できる本格愛好家のためだけに書かれた、ある意味非常に贅沢な本だ。

2024/10/08

モルク

来日しているアメリカの法医学者エリザベスと、彼女の父に幼い頃命を救われたカメラマンの南美希風が解き明かす殺人事件が4編。エラリークイーンの国名シリーズを模したものであるが、なかなかよくできている。難解な事件を様々な推察のもと論理的に解いていく。ただエリザベスの汚い男言葉には違和感が。そこまでする必要はあったのか疑問、そして警察も協力的過ぎないか、でもこういうものなのかなぁ。最初は少し読みにくさも感じたが、クイーンファンは一読してみてほしい。「このミス」でももうちょっと上位でもいいんじゃないかな。

2020/01/08

ちーたん

★★★☆☆初読み作家さん。著者の『南美希風シリーズ』の続編?でありエラリー・クイーンの国名シリーズのオマージュ作品。『或る○○の謎』と題し、ローマ帽子・フランス白粉・オランダ靴・エジプト十字架の4つの短編が収録されている。カメラマンで名探偵の南と日本語は男口調の法医学者のエリザベスのコンビが事件を解いていく。展開的には事件が起こる→彼らの鋭い洞察力で事件の真相が暴かれるといった本格ロジックミステリ!初読み&エラリー・クイーンも未読の私にとっては推理する余裕はなく文字を追うことしか出来なかった💦無念😢

2020/01/19

aquamarine

カメラマン南美希風が法医学者エリザベスとともに殺人現場に赴き(巻き込まれ)、数々の事件を解く連作短編。クイーンの国名シリーズを模したローマ帽子、フランス白粉、オランダ靴、エジプト十字架の各編は、ちゃんとオマージュで、なおかつ全く違う使い方で楽しく読むことができました。もちろん本家を読んでいなくても問題ありません。提示されている伏線が言われるまでまるで気づかないほどさらりと触れられているため美希風の謎解きには唐突に感じられる部分もありましたが、理路整然とした綺麗なロジックが素晴らしかったです。堪能しました。

2019/12/28

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