二十面相 暁に死す
二十面相 暁に死す / 感想・レビュー
いたろう
数年前に、ポプラ社から、「少年探偵団」アンソロジーが出たが、これはまた、別の出版社、光文社からの、「シン怪人二十面相」。作者は、乱歩が亡くなった1965年に、既に物書きとして活躍していた大御所、辻真先。ポプラ社のアンソロジーが、各作家の新解釈で、好きなように書かれていたのに対し、本作は、乱歩に成りきって書いた、乱歩の未発表作と言われたら信じてしまいそうな作品。しかも、戦中から戦後にかけての少年探偵団シリーズの空白を埋めている。しかし、これが辻版二十面相の2作めだったとは知らなかった。1作めも読んでみたい。
2021/07/04
えみ
小林少年と怪人二十面相の対決…からの共闘と、探偵明智小五郎の帰還が叶った前作『焼跡の二十面相』の続編。まだまだ敗戦の色濃く残る日本だが、そんなことはお構いなし、寧ろそんな状況下だからこそ暗躍する二十面相が再び明智小五郎と小林少年の前に現る!表と裏がパタパタと入れ替わる推理戦を制し生き残るのは誰だ!?度肝抜かれる展開に、今回もまたわくわくが止まらず一気読み。かっこかわいい小林少年と裏切らない切れ味鋭い頭脳を惜しみなく披露する明智小五郎。そしてミツルという謎の子供の愛らしさ。二十面相を含め裏切らないエンタメ!
2021/06/15
bura
辻真先の冒険大活劇。昭和21年の東京と名古屋。戦後の混乱の中で再び二十面相が現れ、次々と秘宝を盗んで行く。対抗するは名探偵明智小五郎と小林少年、さらに偽小林少年まで現れて事件は意外な展開に!当時の時代背景が実に活き活きと描かれている。銀座や麻布界隈の街並み、特に石炭事情の悪化で本数激減の東海道本線の「時間表」は面白く読めた。さらに童謡「赤い靴」が物語に豊かな彩りを付けている。辻真先氏、御年89歳ですが、とても若々しく楽しい作品でした。
2021/06/11
オーウェン
二十面相が連載されていた時代に、リアルタイムで接していた辻さんならではの解釈な「焼跡の二十面相」その続編。敗戦から次第に復興しつつある東京において、いつものように二十面相の挑戦状が。そして明智探偵と小林少年が挑む。基本的には二十面相が変装で現れるので、それをどうやって暴くのだが、現場で場違いな殺人が。二十面相は人を殺めないので、自ずと犯人も絞りやすくなる。小林少年にも淡い恋愛関係も見え始め、事件は終わりを告げる。3作目は出来そうだけど、マンネリになりそうな予感もあるので、ここらで止めておいた方がいいかも。
2021/05/24
雪紫
まさかの小林少年に偽者登場。淡いロマンスぶりにニヤニヤ。あれを引き合いにされてるからか、こうなるんだろうな。なことはうっすら予想はついたけど、まあ、ニヤニヤものですね。
2021/05/08
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