闇に用いる力学 赤気篇
闇に用いる力学 赤気篇 / 感想・レビュー
中玉ケビン砂糖
半村良を始めとしてかつて隆盛を誇っていた伝奇ジャンルの刷新を試みた野心作とも言え、屈指のオカルトミステリ(日本&世界偽史総覧全書)とも言え、ポリティカル・フィクション(未曽有のdisasterが世界を襲った時、人々は何を考えどう行動するか)としての逸品などなどどうとでも言えるが、とどのつまり「どういう話か」と訊かれたら「うーん」と答えるしかない。たとえ三冊を通しで読み終えたところで、この作品世界の全容を把握するのは不可能に近い感がある。なので、ここでは幾つかの考察を提示するにとどめる。構想・執筆
2022/07/01
cinos
人を襲う豹、UFO、突然死、エスパー、6本足の豚などなど、様々なキーワードがあふれ、登場人物も多く、これからどうなるのか、第一部でした。途中、作中作みたいなところも出てきておおっと思いました。第二部、頑張って読みたいです。
2021/09/21
ぐうぐう
1995年に「EQ」で連載が始まった本作は、全面改訂の末に今年全3巻で刊行されるにあたっても、その時代は前世紀末を踏襲したままだ。もちろんそこに意味があるからだが、帯裏の惹句に「私たちは本当に世紀末を乗り越えたのか」とあるように、あり得たかもしれない世紀末が、あるいは終末が描かれようとしている。相次いで起こる大規模な事故、爆破事件、子供の蒸発、突然死、そして街中に出没する人喰い豹。次から次へと怒涛のように展開される異様な出来事の連続に加え、UFOに超能力、戸来のキリスト伝説、シオンの議定書、(つづく)
2021/08/12
楽駿@新潮部
品川図書館本。日経新聞の書評で心魅かれて。これまで私が読んできた世界とは全く違う。荒唐無稽と済ませる事ができないのは、様々な史実に基づいた出来事が、発端で語られているからだろう。超能力、突然死、人喰い豹、6本足の豚肉。いきなり切り出されたら、ただの絵空事と笑って終わったのに、フリーメイソン、食の合理化、マインドコントロール、その前に説明される事は、嘘ではない。「種の起源」の中で、徐々に進化していくものと思われていたが、実際は突然変異で新種に旧種が淘汰されていくとしたら?こんな面白い本ない!お薦め!次巻へ!
2021/09/19
クライゲッコー
エッ、ここで終わり!?と気になるところで唐突に終わる赤気篇。そりゃ続編に狂喜乱舞するわけだな… 闇から襲う人喰い黒豹、多発する爆発事件や飛行機墜落事故、そして蔓延する突然死ウイルス…少年超能力者集団も登場し、圧倒的な情報量に翻弄されつつもめくる手が止まらなかった。ここまで広げた風呂敷をどう畳むのか続編に期待。
2021/08/11
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