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闇に用いる力学 青嵐篇

闇に用いる力学 青嵐篇

闇に用いる力学 青嵐篇

作家
竹本健治
出版社
光文社
発売日
2021-07-27
ISBN
9784334914110
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闇に用いる力学 青嵐篇 / 感想・レビュー

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cinos

3900枚を読み終えた!という充実感ではなく、どうなっているんだろう、とくらくらする眩暈感に襲われました。登場人物表がなければ五里霧中だったと思います。これだけの大長編なのに読みやすいのがすごい。実は愛蔵版も買っちゃいました。

2023/08/07

中玉ケビン砂糖

「辻褄」。そろそろ了。「結局この作品は何なのか」という難しい疑問に決着をつけることのできるマジックワードだ。物語序盤で登場人物の一人である茎田の先輩が学会で発表し、同僚たちも「エポックメイキングな」と興奮気味に話す「辻褄あわせの心理」に関する研究がそれである。どのような論旨かといえば、「人間は理解不能なものに直面した時、何とか辻褄をあわせようとする」というものだ。「信じがたい結果だが、どうせヤラセに決まっている」「不可解で強烈な既視感があるが、これはデジャヴという脳機能の誤作動にすぎない」という具合に。

2022/08/13

楽駿@新潮部

品川図書館本。作者25年にわたって描かれた大作ですが、考えさせられることはてんこ盛りですが、最後の終り方に不満が。でも、「混沌」を描きたかったのか?闇とは、人の心の闇、国の思惑の闇、周辺の国々の笑顔の裏の闇。世界に繋がる、自分自身が中心に繋がり、大事な人間だと認識される、そんな気持ちが、誰にもあるのか?どこまでが真実で、どこからが妄想なのか、最後まで解らない。パラレルワールドの存在は、こっそり肯定。そして、危機管理の甘い日本では、荒唐無稽とは、言い切れない。

2021/10/14

ぐうぐう

ある登場人物は言う。「人は世界を読み解こうとする」と。「しかしその欲求には往々にして裏切られます」なぜなら、人が世界を読み解くには技術的にも原理的にも大きな不可能性がつきまとうから。では、人はどうするか。「自分が世界のありようを把握し、俯瞰できる側にまわる方法がある。それは自分が世界を撹乱する当事者になるという方法です」混乱は秩序がもたらせている、その逆も然り。逆説の連続は世界の反転を繰り返し、見ているもの、信じているものを容易に裏切っていく。(つづく)

2021/08/23

ぐりとぐら

オンラインイベント開始ギリギリまで読んでいた。とにかく、いろんな事がいっぺんに起きて、節が切り替わることに視点人物が変わり、これは誰の目から見ている話なの?っていうリセットがかかるので、ずっと不安なまま最終ページまで来てしまった。フナの登場によって、出来事の分岐が複雑になり、選択式のテキストアドベンチャーゲームをやっているような感覚になった。1回読んだだけでは、理解しきれない。が、この理解しきれないところに魅力を感じた。コロナ禍の今読んだということにも自分には意味があったと思う。

2021/09/25

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