焔ノ地 天正伊賀之乱
焔ノ地 天正伊賀之乱 / 感想・レビュー
パトラッシュ
「百姓の持ちたる国」とは一向一揆の加賀ではなく、天正期の伊賀にこそふさわしい名ではないか。他国や宗派の支援を得ず、最盛期の信長に正面から立ち向かったのだから。山がちの地形を利したゲリラ戦で最初は勝ったが、総力を挙げた織田の物量作戦に先が見える者は敗北を悟る。ここで強力な指導者がいない欠陥が露呈し、伊賀国衆は各個撃破され追い詰められていく。そんな表の戦いとは別に、伊賀の若者アラタは家族や仲間や恋人を守るため敵を斬り続ける。多くの流血を招いた戦いだったが、故郷のため命を捧げた民衆の血で描かれたドラマに思えた。
2022/06/22
ポチ
天正伊賀之乱。サクサクと一気に読めたので面白かったのだろうが、あまり心に残らなかった。
2022/04/19
coldsurgeon
天正伊賀の乱を描く歴史物語。伊賀一国が織田軍と真っ向からぶつかり、その凄まじい戦い方を世に知らしめた。しかし、どのようにして、敗北の中、生き延びたかは知らなかった。時の勢いに乗じて動くのではなく、その先を見据えて、戦略を練り、生き延びる方略を考えていた者たちがいた。とても面白く、一気読みだった。
2022/05/31
烏骨鶏
伊賀が信長に滅ぼされた時の戦を巡る作品。 この方の時代物は初めてだったが、読みやすかったと思う。時代が大きくうねった時期。しのびといえど隠れ里の人々はあまりに純朴に描かれる。短い時期ながら心を通わせた人との結末が痛ましい。最後の最後に次ぎの世代をつなぐ為、様々な思いがあったこと、相手にそれを受け入れさせる為の深謀遠慮がすごいとおもった。
2022/05/20
chuji
久喜市立中央図書館の本。2022年3月初版。初出「小説宝石」2020年11月号~21年11月号。天正六年(1578)と天正九年(1581)に伊賀国で起こった「天正伊賀の乱」が題材。著者によると「ウクライナの抗戦がポジティブな歴史として後世に残るよう願っています。」とのことでした。
2022/04/13
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