話を戻そう
話を戻そう / 感想・レビュー
雪紫
「竹本健治は奇書しか書かん」まあ、竹本さんだから許されるよね。幕末の佐賀を(ゾンサガ・・・)舞台にした歴史ミステリは(黒死館程ではないが)、当時の歴史情勢語りの蘊蓄に脱線していく。竹本さん以外だったら高田さんが許されるよねばりの脱線、延々歴史語り。話の違いなんだろうか、蘊蓄が邪魔に感じるか、感じないかのムラがある。他のひとの感想にあるように、幕末佐賀の歴史書として読んだほうが吉。ミステリ的だったら「拾参号牢」「時計仕掛け」が好み。しかし、竹本さんだし蘊蓄に押されて何か見落としてる気がするのは何故か・・・?
2023/08/19
rosetta
★★★✮☆なんとも人を食ったタイトル笑。幕末蘭癖大名鍋島閑叟の頃の佐賀藩は文化技術の導入で日本でも最先端の軍事技術大国だった。何しろ幕府から大砲や蒸気機関の製造を依頼されるくらい自前の精錬所や造船所を持っていた。城下で起こる謎をからくり儀右衛門の孫の岩太郎が解く。随所で作者が顔を出し長々と本筋以上の分量の解説蘊蓄を語り自分にはそれはとても興味深く楽しかった。そして「話を戻そう」(笑)。おかっぱ頭の子供の影がなくてもいいホラー味を与える。腸内発酵症候群なんて珍しい病気を直近の二冊で偶々読むという偶然。
2023/07/03
ふう
竹本健治が語る佐賀のうんちくに溢れかえった連作ミステリ短編集。ん?ミステリ?そう言っていいんだろうけどか正直そこはなんかもうどーでもよくなってしまう読後感。脇道にそれる度に「話を戻そう」のフレーズが出てくるが戻ってないよ!戻った先もまた違う道だよ! 帯に言いたい。これ「奇書」というより「歴史書」のが近いだろ(笑)
2023/05/14
シタン
江藤新平版「13号独房の問題」が面白かった。
2023/07/13
カケル
『これはミステリではない』第二章 佐賀 幕末編、にして“闇に用いる力学”が歴史に浸潤し始めた報告書である!
2023/05/21
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