量刑
量刑 / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
タイトルは、裁判所が処断刑の範囲内で刑罰の程度を決めること。アートフラワー輸出販売の会社に勤める上村岬は、恋人守藤秀人から頼まれた届けものを配達する途中で妊婦を轢いてしまう。病院に運ぼうとするが妊婦が目を覚まして暴れたためやむなく首を絞めてしまう。そして彼女の娘らしき子供も殺してしまい始末を秀人と行う。岬と秀人にはこの事故を表沙汰にしたくない事情があった。岬が逮捕され重い刑罰を課することで知られている神谷正義が担当裁判官となり、死刑が言い渡される事が予測されていた。いよいよ量刑という時神谷の娘真理が誘拐。
2001/12/31
ゆうほ
事実が真実ではないなら、裁判所が決める量刑は妥当なのか。良いか悪いかはおいといて、加害者の言葉の真実性って難しい…。母子殺人、遺体遺棄の裁判が始まる。量刑を決める合議の最中、裁判長を悩ませる事件が起こり、裁判長の心は揺れる。
2024/10/07
あきまこ
裁判での、弁護士や検察官などの登場人物の話す言葉がとても状態を表してると思い、読み惚れました。自分の話す日本語の薄っぺらさと語彙の貧弱さを恥ずかしく思います。ノンフィクションかと思うほど完璧な組み立てで、疑問を感じる隙が無いと思いました。最終章の「風紋」は主人公神谷正義の心情や裁判に対するプライドのようなものを書いて作品をまとめ、読者に余韻を残して実に説得力がありました。
2014/06/11
ララ♂
読了
2024/11/02
クルミパン
久しぶりに読み応えがある本に出会いました。タイトルの示唆する通り「量刑」について真正面から疑問を呈した作品です。家族の生命と職業倫理のどちらを選ぶのかの究極の選択ですが、私は迷わず家族を選びます。裁判官といえども神ではないんですね。
2014/06/13
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