深淵 〈下〉
深淵 〈下〉 / 感想・レビュー
GaGa
ああ難解。ひたすら、ただただ難解。こういう作品は理解するより、噛みしめてしかるべきだが、それでも難解。なのに読んで損をしたとはまるで思えない不思議。大西巨人氏は今年で92歳。この作品は97年起筆で03年に書き上げられたとのこと。もう少し人生経験を積んでから再読いたします。
2011/11/02
空箱零士
★★★☆ 記憶喪失時の知人・丹生哲彦と再会した麻田は己が松浦県の塾講師だったことを知り似非冤罪事件に関わることになるが、双葉子と関係を思い出した麻田は……。架空論文「歴史偽造の罪」を元に己の記憶と向き合い事件も記憶を正確に立証すべく努める。氏らしい理路整然な理論だが隙のなさが話の緊張感を薄めた。そして「漠たる虚空」。真なる根源を求めた時に人は虚空に消えざるを得ないか? テーマ追求の姿勢は頷けるが物語の妥当性は微妙(『生の根源的問題』の発端)。結末は正しすぎる作家である氏の臨界点にも見えたのは流石に過言か。
2013/02/24
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都度都度、それまでの行動を箇条書きにまとめてあったので、話しをしっかりと掴むことができた。実に楽しかった。終わり方が特に良い。
2015/12/18
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